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平和紙業株式会社
機能のある紙(その3)

機能のある紙について、原稿を書こうと思っていた矢先、フランスの象徴でもある、ノートルダム寺院が火災に遭うというニュースを目にしました。
かつて私も一度、訪れたことのある場所だけに、尖塔が崩れ落ちる様を見た時には、世の無常を感じざるを得ませんでした。

石造りの重厚な建物であったのに、いとも簡単に炎に包まれてしまったことに、不思議な思いでいたところ、天井部分には木が多く使われていたことが、火のまわりを早くしたのだと聞いて、やはり木は燃えやすいのだと、再認識しました。

植物の繊維が原料である紙は、炭素を多く含むことから、御多分に漏れず、燃えやすいものの代表と言っても過言ではないでしょう。
線香花火が楽しめたり、煙草を吸うことができたりするのも、紙が燃えることで成り立っています。

とは言え、紙は現代社会において、いたるところに存在しています。つまり、燃えやすいものが身の回りに溢れているわけです。
こうした紙に火が付けば、あっという間に燃え広がり、大きな被害につながりかねません。
住宅においては、被害を広げないためにも、防炎加工の施された壁紙や、カーテンなどが使われているのは、ご存知のことでしょう。

紙は燃えるものという常識を変え、燃えない紙があれば、屋内のポスターなど、用途によっては使われる場面があるのではないかという発想から生まれた紙があります。

紙を作る際に水酸化アルミを混ぜることで、不燃性を高め。印刷適性を上げるために紙の表面には、コート層を設けることで、屋内で使用するポスターをはじめとした印刷物にご利用いただける紙です。

燃えない紙と書いていますが、誤解のない様に言えば、炎を近づけても、燃え広がらない紙、炭化はしても炎が出ない紙です。
炭化はしますが、炎が出ないので延焼することが無く、炎を上げて燃え広がることがありません。

その名もストレートに「防炎一級印刷用紙N」!
日本防炎協会が防炎製品性能試験で使用しているテストと、同じテストをして、防炎性が高いことを検証しています。

紙は燃えるものではありますが、燃えにくい紙もあることを、是非この機会に知っていただければ、火災を未然に防ぐこともできるかもしれません。
大切な命を守るためにも、この機会に小さなことから見直してみてはいかがでしょう。

ひと昔前には、「マッチ一本 火事の元」と言ったものですが、昨今のご家庭にはマッチそのものが無くなり、禁煙・嫌煙志向の高まりから、煙草も電子タバコに変わりつつあります。
日々の生活の中では、火を使うことが少なくなってきてはいますが、いつどこで何が起こるかわからないこの頃です。
ノートルダムもまさか火災に遭うとは思ってもいなかったことでしょう。

火事は自然災害とは違い、私たちの取り組み次第で、未然に防ぐことができます。
防災意識を高めると同時に、こうした燃えにくい紙があることも是非頭の片隅にでも置いておいてください。どこかでお役に立つ時があるかもしれません。

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