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平和紙業株式会社
紙に歴史あり その2(後編)

「グラフィーエコカラー」と「Mag」の統廃合においては、少し複雑な経緯が存在しますので、少しだけ遡って当時の経緯を説明します。

そもそも「グラフィーエコカラー」の色名はすべて漢字表記で、「砂丘」「素焼」「青磁」「冬白」「猫柳」「玄」「朽葉」「桃紅」「麦秋」「萌黄」と言う色名でした。これに対して「Mag」から移行する色名はカタカナ表記で「ミスト」「アイリスブラウン」「アスターブルー」「ストーングレー」「ボルドー」という色名。

当初は、「Mag」の5色を追加するということから、「Mag」の色名をカタカナから漢字に変更する予定でした。
「ミスト」→「霧氷」、「アスターブルー」→「星青」、「アイリスブラウン」→「虹赤」、
「ストーングレー」→「岩鼠」、「ボルドー」→「葡萄」。

しかも商品名も「グラフィーエコカラー」から、「グラフィーMagカラー」に変更する予定で、商品設計を進めていましたが、商品名も、それに伴う色名も、何だかアンバランスで、すんなりと頭に入ってこない。

更に、これまでの「グラフィーエコカラー」の色と、「Mag」の色を並べると、しっくり揃わないこともあり、スムーズな色の並びにするために、新たに3色を加えることにしました。

商品名も新しくし、心機一転新しい商品として、世に送り出すために、商品名は「Magカラー」に、色名は全てカタカナに統一することとしました。しかも元の漢字の色名のイメージを損なわない色名にすることで、「グラフィーエコカラー」のDNAを繋げていきたいと考えました。その結果が、次のようになりました。

従来色名 新規色名 従来色名 新規色名
砂丘 サンド <新色> チェリー
素焼 テラコッタ <新色> モスロック
青磁 コンクリート <新色> ダルスカイ
冬白 モルタル Magから移行 アイリスブラウン
猫柳 ドライグラス Magから移行 アスターブルー
チャコール Magから移行 ボルドー
朽葉 ブリック Magから移行 ミスト
桃紅 ローズピーチ Magから移行 ストーングレー
麦秋 オーク
萌黄 ターフ

そして、構想から約1年を経て、2013年10月に発売に至ります。

「Magカラー」「Mag」ともに、発売後は順調に滑り出します。
これまで、「グラフィーエコカラー」をご利用いただいてきた方々にも、すんなりと受け入れられ、同時に新色や移行した色も斬新に映ったようですし、「Mag」は、これまで同様違和感なくお使いいただける状況でした。

こうした中、「Magカラー」をFSC認証紙にすることで、環境付加価値の高い商品を目指し、各色、在庫が無くなり次第、順次認証紙に移行していくこととしました。

全てが順調に動き始めて約1年後。その知らせは突然やってきました。
2014年12月にメーカーが発表したのは、2015年9月末をもって、この「Magカラー」「Mag」を製造している機械(抄紙機)を停機するとの発表でした。

しかも古紙を扱うことのできる抄紙紙は、この1台だけです。「Magカラー」「Mag」は、再び断崖絶壁の窮地に追い込まれました。
この商品をこのまま葬り去るのか、再び蘇らせるのかを選択しなければならなくなったわけです。

他の製紙メーカーに転抄しても、これまでの商品と同じものを作ることは難しいことは、十分わかっていましたし、これまで生産した在庫もあります。
そうした中、最終的には、他の製紙メーカーに転抄することを決め、そのメーカーと一から商品の組み立てを始めることになりました。

2015年10月以降、これまでの「Magカラー」「Mag」に極めて近い雰囲気と、組成を求め、全ての色、雰囲気、質感を逐次チェックし、何度も工場を訪れ、全てのアイテムを完全に移行させるのに約2年を費やし、同時に全てのアイテムをFSC認証紙としました。
商品名も「MagカラーN」「Mag-N」とし、流浪の旅の終着点を迎えることになりました。

「グラフィーエコカラー」から「Magカラー」へ、そして「MagカラーN」へ。
「Mag100」から「Mag」へ、そして「Mag-N」へと、時代とともに変化しながらも、それゆえ力強さを感じる紙へと成長してきました。
この紙を残したいという思いから、約20年にわたる時代の変遷を乗り越え、今に繋がれた「MagカラーN」「Mag-N」の二つの商品。
多くの方にお使いいただき、満足していただくことを切に願う次第です。

(写真1)「Mag100」に新色を追加した際の見本帳。 | 紙に歴史あり その2(後編) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真1)

(写真2)「Mag100」に新色を追加した際の見本帳。 | 紙に歴史あり その2(後編) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真2)
(写真1、2)「Mag100」に新色を追加した際の見本帳。グレーだけだった「Mag100」に濃色を追加したものの、従来のイメージが強すぎたのか、なかなか認知されませんでした。

(写真3)「Mag100」から「Mag」に変更した際の見本帳。 | 紙に歴史あり その2(後編) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真3)「Mag100」から「Mag」に変更した際の見本帳。あらためてグレーだけになり、200㎏を追加しています。この後、「Mag-N」に名称変更を行います。

(写真4)「グラフィーエコカラー」と、「Mag100」の濃色を統合し、新たに新色3色を追加し、「Magカラー」として発売した際の見本帳。
 | 紙に歴史あり その2(後編) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真4)「グラフィーエコカラー」と、「Mag100」の濃色を統合し、新たに新色3色を追加し、「Magカラー」として発売した際の見本帳。この後、「MagカラーN」に名称変更を行います。

(写真1)「Mag100」に新色を追加した際の見本帳。 | 紙に歴史あり その2(後編) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真1)

(写真2)「Mag100」に新色を追加した際の見本帳。 | 紙に歴史あり その2(後編) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真2)
(写真1、2)「Mag100」に新色を追加した際の見本帳。グレーだけだった「Mag100」に濃色を追加したものの、従来のイメージが強すぎたのか、なかなか認知されませんでした。

(写真3)「Mag100」から「Mag」に変更した際の見本帳。 | 紙に歴史あり その2(後編) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真3)「Mag100」から「Mag」に変更した際の見本帳。あらためてグレーだけになり、200㎏を追加しています。この後、「Mag-N」に名称変更を行います。

(写真4)「グラフィーエコカラー」と、「Mag100」の濃色を統合し、新たに新色3色を追加し、「Magカラー」として発売した際の見本帳。
 | 紙に歴史あり その2(後編) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真4)「グラフィーエコカラー」と、「Mag100」の濃色を統合し、新たに新色3色を追加し、「Magカラー」として発売した際の見本帳。この後、「MagカラーN」に名称変更を行います。