平和紙業株式会社
名刺 ―名刺も奥が深い―
名刺用紙のサイズで一般的な大きさは、55×91㎜のサイズです。日本では、この大きさがスタンダードな大きさなのですが、名刺にはサイズを表す「号数」というものがあるようで、東日本では、55×91㎜を、「4号」と表記しています。それに対し、西日本では、このサイズを、「9号」と表記しています。
大手の名刺取扱い業者である、東京の㈱山桜、名古屋の㈱キングコーポレーション、大阪のハート㈱を比較してみると、
㈱山桜 | ㈱キングコーポレーション | ハート㈱ | |||
小型 | 39×70 | 小型1号 | 39×72 | 5号 | 39×72 |
3号 | 49×85 | 3号 | 49×85 | 8号 | 49×85 |
4号 | 55×91 | 4号 | 55×91 | 9号 | 55×91 |
5号 | 61×100 | 5号 | 61×100 | 13号 | 61×100 |
主要な名刺のサイズは、ほぼ同じなのですが、「号数」に違いがあります。
何故、このような違いがあるのかは、良く分かりませんが、名刺の多くは、これらの寸法が中心となって使われているようです。
名刺を扱う業者によって、微妙に寸法が違うのは、名刺サイズの規格が明確に定められていないことに起因しているようです。
その中で、55×91㎜だけは、日本標準サイズとして、流通しているのが現状のようです。
さて、名刺サイズと言えば、私たちが普段使っている、免許証、保険証、クレジットカードなども、この名刺サイズに近い大きさです。
しかし、プラスチックカードに関しては、JIS規格でその寸法が規定されています。
JIS規格で定められた、正確なプラスチックカードの寸法は、53.975㎜×85.598㎜ 3.18(角R)、0.762㎜(厚み)で、一般的には、54㎜×85.6㎜、角3R、厚み0.76㎜で表記されます。
従って、一般的に使われる名刺サイズの55×91㎜より、一回り小さいサイズだと言うことになります。
財布のカード入れに、名刺が収まらない経験をしたことはありませんか?
また、一般的な名刺が四隅に角があるのに対し、カードでは四隅を丸く(角丸)にしなければなりません。
これは、素材が硬いプラスチックですので、角で指や手などに怪我をしないためと言われています。
皆さんのお手持ちのプラスチックカードを見てもらえれば、全てのカードは同じ大きさで、角丸になっていることが一目瞭然です。
プラスチックのカードの四隅が角丸であるように、名刺にも角丸の名刺があります。
角丸の名刺は、主に女性が扱う名刺として取り扱われているのが一般的です。
昨今、夜の街に出かける機会もめっきり減りましたが、クラブやバーなどのママさんや、ホステスさんの名刺の多くは、この角丸の名刺で、一般的な55×91㎜より一回り小さい、49×85㎜(関東では3号、関西では8号)の名刺が使われていました。
企業においても、女性の名刺は角丸の名刺を使用していたことがありましたが、男女雇用機会均等法の施行を機会に、女性の名刺から角丸が無くなっていった経緯があります。
昨今では、角丸の名刺は、本来の名刺用途から、ショップカードや、タグ等にも利用され、新たな活躍の場が出てきたようです。
また、更に小さい、39×72㎜(39×70㎜)は、着物の帯や袖に入れて扱いやすいことから、和装の女性を中心に使用されることが多い名刺です。
この大きさの名刺は、人の目を惹くことから、一部のデザイナーなどにも人気がある名刺です。
名刺のサイズは様々ですし、個性を表現するために、敢えて違った寸法や形を選択することもできますが、基本的な寸法をより大きすぎたりすると、名刺入れにも、名刺ホルダーにも納まり難くなりますから、ご注意ください。
同時に、名刺入れにはプラスチックカードは納まりますが、カードケースには、名刺は納まりませんので、ご注意を。