アミリョウコ
GOCCO!
Febrero(2月)
1月2月3月は早いといいますが、本当に早いです。あっという間に2月です。日本では暑い日が続いているころだと思いますが、気が付けばここオアハカでは日中の気温がぐんぐんと上がる季節になっています。
先日14日はバレンタインデーでした。メヒコでは、「Día del amor y la amistad」といって「愛と友情の日」としてお祝いされます。男女間は関係なく、またチョコレートをあげなければならないという風潮もないので、なんでもありな感じです。
挙句の果てにはこんなものまで見つけました(写真1)。ペパロニが敷き詰められたハート形ピザ。こういうのを見ると、形式にとらわれないってなんて自由で無謀で素敵なんだ、と思ってしまいます。
POP UP SHOWに参加してきました!
少し前になるのですが、友だちから声をかけてもらってPOP UP SHOW(マーケット、マルシェみたいなもの)に参加してきました。前日にいきなり声がかかり、急だったのですがせっかくのチャンスなのでもちろん出展させていただくことに。
パティオ(中庭)のある一軒家で開催という、ホームパーティの延長にお店と音楽と飲み物があるという感じで、いい感じにゆるい雰囲気でした。
急だったのですが、新しくTシャツを刷ったり、初めて公共の場に持っていくものもあってどきどきわくわくの出展体験です。(写真1)
こちらはテキスタイルのデザイナーさんなのですが、布だけにとどまらず、紙媒体の印刷物や作品、そしてじゅうたんなどの作品も多彩でした。(写真3)
主催者の人がオアハカに移住したというカナダ人の夫妻ということもあり、なかなかインターナショナルな参加者でした。
シルクスクリーンプリンターとして音楽バンドのポスターなども手掛けているアーティストの方もいました。(写真4)
こちらはカナダからきていたリソグラフプリンターの女の子のブース。(写真5)
日本のリソグラフ、海外では圧倒的にアートシーンで活躍していています。ファンジンやアートブックなど、製本の仕方に遊び心がいっぱいでデザイン性も高く見ていて楽しくなる作品ばかりでした。
主催者が読んでくれたのか、友だちがふらりと来たのかよくわからないのですが、ふいにやってきてセッティングをして、2~3曲歌うとさっそうと消えていったバンド。(写真6)
プリントゴッコ!!!
そんなゆるい感じで時間が流れていくこのイベントだったのですが、懐かしのプリントゴッコのワークショップがありました。
小さいころに1枚ずつ年賀状を刷ったあのプリントゴッコにまさかオアハカで出会うとは、とかなり驚きました。(写真7)
主催者のKevinさんがネットで購入したものらしいのですが、感光の時に必要なバルブはなんとメヒコで売っているもので代用が可能なのだとか。
ワークショップは日が落ちてからでした。少し暗くなった室内で感光するときの「ピカ!!!!!」をしたのですが、初めて見た人たちからは歓声とどよめきが上がっていました。(写真8)
プリントゴッコは海外では「GOCCO」とよばれていて、スペイン語か英語の発音で聞くと「ゴクー」という感じで聞こえました。そのたびに、ドラゴンボールの悟空が頭の中によぎる私。(なんのこっちゃ、ですね。)それはさておき、このお手軽にシルクスクリーンができるという小さな機械の周りは、プリントメイカーの人たちが目を輝かせて集まっていました。
こうやって改めてプリントゴッコのプロセスを見ていると、本当によくできた機械だなと感心しきりです。シルクスクリーンとプロセスは同じですが、いかにインクで手などが汚れないか、とか、クッション性がありフレキシブルに動く紙を置く台の構造など、印刷ミスや漏れを防ぐ工夫がありとあらゆるところにあると気が付かされました。
3枚の版を使ってみんなで作品を作りました。
うっかり写真を撮るのを忘れてしまったのですが、出版社で働いていたというKevinさんはやはり印刷物が大好きということで、ミニミニ活版印刷機を持っていました。(写真9の奥)
小さなインク台も付いているけど、ポータブルサイズのこの小さな平置きの活版印刷機は初めて見ました。インクはローラーで活字に直接乗せて、上から押す力で圧をかけて印刷する仕組みです。
左がプリントゴッコで印刷された作品(写真10)。年賀状を作っていた時は、見本帳などの多色刷りは枠があってその中にきれいに色が収まっている、という感じだったので、こんな自由な感じの年賀状が届いたのは見たことがありません。年賀状という概念がない中で「手軽に印刷できるマシン」とプリントメイカーたちの楽しすぎるおもちゃとしてのプリントゴッコの活躍の仕方はめちゃくちゃ理想的だと思いました。
右は平置き型ミニ活版印刷機で印刷されたミニポスター。アルファベットは文字数が少ないので、このような大きな木の活字が多くありますが、やっぱりかっこいいなぁと感心しきりです。こういう縦に長めの字体が並ぶ感じ、たまりません。
和やかに終わっていったPOP UP SHOW。参加してよかったと鼻息があらくなったのは、もちろんお客さんと話していたときもなのですが、出会ったアーティストの人とのART EXCHANGEの時でした。
同じ機械、あるいは自分が見たことや聞いたことがある機械も、使う人や使われる場所が違うと、実に様々な表現の方法がありこんなにもいろんなことができるのかと目を見開かされる思いです。印刷物の可能性や面白さ、遊び方を新たにみられるのでとても楽しいです。(写真11、12)
リソグラフや活版印刷は、どちらかというと都会のサブカルチャー的な感じがするので、版画が盛んなオアハカではまだまだポピュラーではありませんが、このようなイベントで人が行き来する中で、確実に入ってきているのだというのを感じた一日でした。
そして、印刷物にかかわる人たちは本当印刷のことや紙のことが好きな人が多いと改めて感じたのでした。
それでは、また来月お会いしましょう!!