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平和紙業株式会社
紙と取り組むSDGs③ -SDGsの考え方-

紙と取り組むSDGs③ -SDGsの考え方- - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

<目標・ターゲットと寄り添う>

SDGsは17の目標と、それぞれの目標を実践するためのターゲットが合計で169あります。前回お話しした通り、SDGsの目標やターゲットの中には、直接「紙」に対する要望や、要求などはありません。目標や、ターゲットに即した内容であるかどうかを、客観的に判断し、時には拡大解釈につながるかもしれませんが、趣旨をくみ取っていかなければなりません。

例えば、再生紙や森林認証紙などを、積極的に使いましょうと言ったような直接的な表現はどこにもありません。
そこで、目標の「12.つくる責任、つかう責任<持続可能な消費と生産のパターンを確保する>)」の中のターゲット「12-5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。」という内容を精査する中で、紙においてこのターゲットに合致するものは再生紙であろうと判断して行きます。
つまり、「作る→使う→回収する→作る」のサイクルを持ち、古紙の有効活用を進める上で、再生紙がこのターゲットに合致すると考えられるからです。

また。「12-2 2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。」というターゲットに対しては、木材以外の木質原料でもある非木材(藁、バガス、コットンなど)も効率的に使用することで、天然資源の持続可能性に寄与できると考えられ、非木材紙の活用につながると考えられます。

更には、目標の「15.陸の豊かさも守ろう<陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る>」の中のターゲット「15-2 2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。」という内容から、森林管理の重要性を確認し、こうした管理された森林に対し客観的に認証を与える、森林認証制度が、有効に機能するであろうことが理解できます。
従って、森林認証制度による、森林認証紙も、こうした位置づけにあると判断されます。

こうしたことは、弊社が独自に判断していることですので、弊社の考え方に他なりません。
弊社の考え方が、広く一般に共有できるものかどうかは分かりませんが、これら独自の判断の元、弊社として、SDGsの理念を反映するものとしています。

SDGsの考え方として、目標とターゲットに対して、各々の企業なり、個人が、どのように考え、実践するかを定義づけているわけではなく、それぞれの考え方に任せることで、より多くの選択肢を持たせようとしています。

「紙」そのものが循環型素材であり、サスティナブルな素材であることを大前提に、更にその中でも、より具体的にSDGsの目標、ターゲットに対して寄り添える紙が何かを、弊社なりに考えていきたいと思っています。

紙と取り組むSDGs③ -SDGsの考え方- - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

<多様性とSDGs>

ご存知の方も多いと思いますが、15~20年程前には、色鉛筆やパステル、クレヨン、クレパスなどから、「肌色」という色名が姿を消し、代わりに「うすだいだい」「ペールオレンジ」と言った色名に代わっています。(写真1、2)

(写真1) | 紙と取り組むSDGs③ -SDGsの考え方- - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真1)色鉛筆の「はだいろ」は、「うすだいだい」や「ペールオレンジ」と言った色名に変更されています。
切り替え途中の色鉛筆には、英語表記と、日本語表記が併記されていました。

(写真2) | 紙と取り組むSDGs③ -SDGsの考え方- - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真2)この色鉛筆では、それぞれの鉛筆の色名は、英語表記で、「PALE ORANGE」と、表記されています。
現在販売されているほとんどの色鉛筆には、「はだいろ」はありません。

これは、もともと「日本人の肌の色に近い色」という意味合いで「肌色」と称していましたが、日本国籍を持ちながらも、肌の色の違う人が増え、また、国際的にも肌の色は同一ではないとのことから、色名が変更されました。

紙の業界でも、ここにきて、紙の色名の「はだいろ」が変わり始めています。最近では色上質の中にある「はだ」を「うすだいだい」に変更すると発表がありました。
こうした変更は、あくまで多様性を認めることから端を発しています。

SDGsの目標やターゲットの中には、直接的に多様性について該当するようなものはありません。しかしながら、多様性の尊重は、SDGsの考え方のベースでもあり、切り離して考えることはできません。
私たちは、こうした多様性の問題を意識しながらSDGsの取り組みを考えていく必要があるのです。

(写真1) | 紙と取り組むSDGs③ -SDGsの考え方- - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真1)色鉛筆の「はだいろ」は、「うすだいだい」や「ペールオレンジ」と言った色名に変更されています。
切り替え途中の色鉛筆には、英語表記と、日本語表記が併記されていました。

(写真2) | 紙と取り組むSDGs③ -SDGsの考え方- - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真2)この色鉛筆では、それぞれの鉛筆の色名は、英語表記で、「PALE ORANGE」と、表記されています。
現在販売されているほとんどの色鉛筆には、「はだいろ」はありません。