三星インキ株式会社
色がもたらす影響や意味合い「青」
前回に引き続き、色の持つ影響について書かせて頂きます。
今回は古代に人々が認識していたとされる色の1つである青色について
青色は赤色の対比色として知られており、赤色が暖色・情熱的・危険・女性的を表すのに対して、青色は寒色・冷静的・安全・男性的を表し、空や海、水と言った広大な自然のイメージが浮かび、世界的に一番人気が高い(好む人が多く嫌う人が少ない)色であると言われています。
寒色である青色は暖色である赤色と異なり体感的に寒く感じる色で、青の光が『副交感神経』を刺激して心拍数を下げ、鎮静効果をもたらすと言われています。
また青色は集中力を高める、精神を安定させる、時間経過を遅く感じさせる効果があり、単純作業を何時間も続ける仕事場などを青系統で統一すると集中力が上がり、時間感覚が鈍くなる為に実際に行った時間よりも早く終わったと感じさせてくれる効果があると言われています。
そして青い海や晴れた空を突然見たくなった時、その時は精神的に不安定な時で、心を落ち着かせたくなる為に無意識に青色を見たい欲求にかられるそうです。
このように青色はイメージ的に冷静で規律正しく知的なイメージがある反面、寂しさや孤独感を感じさせる色でもあります。『ブルーな気持ち』といえば気分が乗らない事を意味したり、体調が悪い時は顔色が青いや青ざめる、打ち身などで内出血した部分を青あざなどと言ったりします。
その他にも未熟な事を指すものにも使われ、青二才や青田刈りという言葉もあります。
アメリカでは青色は卑猥な色であると考えられており、ブルージョークとは下ネタを意味します。
また青色は寒色でありますが、寒色は後退色とも言われ、実際よりも遠くにあるように見える色を指します。これが原因かどうか不明ですが、一般的に青系の車は暖色の車(赤・黄系)よりも事故に遭いやすいとも言われています(実際の距離よりも遠くにいると感じられ、車間を詰められやすい)。これを利用すれば奥行きを持たせる印刷物が欲しい場合は、後退色(寒色)と進出色(暖色)をバランスよく組み合わせる方法が挙げられます。
尚、明るい日中や夜などは黄や赤系統の暖色の方が目立つのですが、うっすら明るい状況(夕方時の薄暮や早朝の時間帯など)では逆に青色の方が目立つそうです。
この現象を『プルエンキ現象』というそうで、これを利用しているのが道路にある案内標識や指示標識であり、街灯等がきちんと整備されていない場所にある一般道でも標識を見落とさないように、青い標識(青と白の組合せ)が使われているそうです。その他に新選組が着ていた羽織は浅葱色という青色に黄色がわずか混じった色ですが、これも薄暗闇で仲間を識別しやすい事からこの色にしたとも言われています。
尚、一般道に対して高速道路の標識は緑と白の組み合わせですが、これは青と類似した色である緑にも『プルエンキ現象』の効果があり、青色と同様に標識を見やすくしている為だそうです。それ以外に一般道と区別する為に緑色を使用しており、間違って侵入させないようにする為だとの事です。
また緑については次回細かく記載させて頂きますが、緑は自然や安全というイメージがあり、心と体を癒してリラックスさせ、目にも優しい色である事から、長時間の運転で疲れる高速道路の標識にはピッタリの色だと言えます。
このように日本では青色と緑色を近しい色だと考える傾向があり、信号機の青も実際は緑色なのでは?と感じた方は多いはずです。その他にも野菜全般の事を『青物』と呼んでみたり、青りんごも実際は緑色をしています。その他にも青虫、青のり、青竹等もあります。
今まで日本人は色には非常に細かなこだわりを持っているとしてきましたが、この辺だけなぜかアバウトですね。