平和紙業株式会社
機能のある紙(その1)
新年度を迎える準備にあわただしい今日この頃。
特にあと一週間も経てば新しい元号が発表され、5月からは、その新しい元号の元での年がスタートします。
明るい未来を祈りながらも、その一方で、10月には消費税の税率が8%から10%に引き上げられる予定。
この消費税増税にともない、景気後退を懸念する政府は、様々な対策を取ろうとしています。
そんな中で、低所得者や、子育て世代(0~2歳児を持つ世帯)の消費に与える影響を緩和し、地域における消費を喚起することを目的に、プレミアム付商品券の発売も検討されています。
これは、最大20,000円で購入すると、25,000円分の買い物ができるもので。前回の消費税増税後も各市区町村で実施されました。
前回は、額面1,000円の商品券が25枚綴りのものが主流でしたが、お釣りがもらえないとか、細かな買い物ができないなどの理由もあって、今回は額面500円の商品券が50枚綴りになる予定です。
このプレミアム付商品券は、当然のことながら偽造防止や、流通での不正が行われないことが望まれています。
そのため、偽造防止の観点から、スレッドと呼ばれる金箔のラインを紙に抄き込んだものや、透かし模様を入れたものなど、様々な対応がとられた用紙を利用することが必要となってきます。
とは言え、こうした用紙を各市町村レベルで開発し、実際の商品券として利用するにはコストや手間、時間がかかります。
そこで、あらかじめスレッドや透かしを入れたり、更には紫外線(ブラックライト)を照射することで、蛍光発光する特殊な素材を混ぜた用紙を、必要な時、必要な枚数を、お渡しできるよう、弊社では常備3種類の用紙を取り揃えております。
一つ目は「セキュリティー用紙 スバル」
よく見かける商品券のように、あらかじめ金箔のスレッドを抄き込み、同時にそのスレッド上に、ランダムな透かし模様を入れています。
二つ目は「セキュリティー用紙 銀河(ぎんが)」
紙の表面に独特なマーブル調の地模様を施し、染色した毛をちりばめ、更に斜めのレイド柄を施すとともに、紫外線(ブラックライト)を照射することで、紙に抄き込まれた蛍光斑点が発光します。
三つ目は「セキュリティー用紙 宙(そら)」
あらかじめ紙に「宙」の文字を図案化した透かし模様を入れています。この透かし模様は、商品券を制作した場合、必ずその商品券のどこかに透かし模様の全部、もしくは一部が入るよう設計されています。また、紫外線(ブラックライト)を照射することで、紙に抄き込まれた蛍光斑点が星空のように発光します。
これら3点の用紙は、小ロットでも対応できるよう、必要な枚数で、ご提供できる体制を整えております。ただし、お取り扱いの際には、あらかじめ、セキュリティー担保のため、弊社と覚書を取り交わさせていただいておりますので、この旨ご承知ください。
また、これらの用紙は、プレミアム商品券のみならず、地元の商店街や、店舗などで発行する商品券や引換券、貴重品や高級品の保証書など、様々な用途でご利用いただけます。
この3種の用紙を収録した見本帳も用意しております。この見本帳は、実際に使われている商品券の大きさで制作したもので、商品券になった時の姿をイメージしやすくしています。必要な方は弊社HPよりお問い合わせください。
こうした、私たちの身近にある、紙にしかできない機能や、紙だからこそできる機能を持たせた紙を、次回もご紹介させていただきます。