平和紙業株式会社
ところで和紙って・・・
多くの方は、「和紙」と聞くと、ある程度のイメージができると思います。しかしながら、具体的にどんな紙が「和紙」と呼ばれるものなのか、また、どんな種類があるものなのかには、なかなか思い及ばないのではないでしょうか。
以前にも書いたように、和紙の産地は日本のあちらこちらにあり、その土地の気候風土に合わせた紙が作られてきました。それ故、種類も多く、様々な用途に向けた紙が存在します。
例えば、高知県には、土佐和紙があり、とにかく薄い和紙を作ることで有名です。特に「土佐天具帖紙」は、その厚さが0.03~0.05㎜と、日本一の薄さを誇ります。しかも薄いだけではなく丈夫で、博物館や寺社仏閣などの古文書や、絵画などの修復などに用いられ高い評価を得ています。
その品質の良さから、「土佐典具帖紙は」1973年(昭和48年)に国の無形文化財に、土佐和紙全体としては、1976年(昭和51年)に伝統的工芸品に指定されています。
また、岐阜県美濃市を中心に作られているのが美濃和紙です。その歴史は古く、1300年前から紙作りが始まったとされています。奈良の正倉院には、日本最古の和紙として美濃、筑前、豊前の3国の戸籍用紙が所蔵されていることからも、その歴史の古さが感じられます。
美濃和紙の特徴は、薄くて、柔らかくて、丈夫で、きめ細かな肌合いを持ち、昔から障子、襖、屏風、掛け軸などに多く利用されてきました。本美濃紙の手漉き技術は2014年(平成26年)にユネスコ無形文化遺産に登録されています。
また、美濃和紙の寸法が、現在の洋紙の四六判の元になったことは、以前にも書かせていただきました。
そして福井県越前市を中心に作られているのが越前和紙です。その歴史は1500年前に遡ると言います。越前和紙の中でも越前奉書は、かつて天皇や公家など高貴な方々に使われるほどの、高級なものでした。また、紙の種類の豊富さも越前和紙の特徴でもあります。単に白いだけではなく、色や柄を付けたり、意匠性のある和紙を多く生み出しています。前回書いた大礼紙なども、越前和紙を代表する和紙です。
これら3つの産地は、それぞれ1000年を超える歴史を持ち、その歴史の中で伝統を継承しながら、時代にあった紙を作り出してきています。
しかしながら、こうした種類の多い和紙をどう選択して使えばいいのか、どこに相談すればいいのでしょうか?
そんな時は、やっぱり和紙問屋に聞くのが一番手っ取り早いことになります。
でも、和紙問屋ってどこにあって、どうコンタクトを取ればいいのか分からないのも事実でしょう。
そんな時は是非、弊社の関連会社「株式会社 辻和(つじわ)」にご相談を。
辻和は、1974年に、手漉き和紙の拡販を目指して創立しました。
初代の社長が辻さんで、辻さんの「辻」と平和紙業の「和」を取って「辻和」。
何とも安易なネーミングですが、今では、日本各地の和紙を取り扱う和紙の専門商社となっています。
各地の和紙を集めた見本帳も完備しています。(写真1、2)
見本帳の名前は「瑞穂(みずほ)」と言います。創業以来ずっと、この名前で見本帳を制作しています。これは、辻和が創業した地が、名古屋市瑞穂区であったことに由来しており、こちらも安易なネーミングですが、継続は力なりの言葉通り、紙の業界では知られた名前となっています。
「辻和」は和紙のプロ集団です。
和紙の選択に迷った時には、一度お声がけください。
https://www.tujiwa.jp/
それから、前々回、和紙風の名前を考えなければならなかったお話を書かせていただきましたが、やっと商品化にこぎつけました。
商品名は、「真砂紙(まさごし)」です。(写真3、4)
白い砂浜のような雰囲気のある、和紙のような洋紙のような、微妙な風合いと、紙面に散った小さな黒い斑点がアクセントになっています。
12月19日発売ですので、気になる方は、是非お問い合わせを。
「真砂紙(まさごし)の詳細はこちら
https://www.heiwapaper.co.jp/products/details/0101640.html