あみりょうこ
メルカドバッグ
Julio(7月)
こんにちは。オアハカよりあみりょうこです。今年は日本ではあまり暑くない夏になるかもしれないと言われていると聞きましたが、オアハカでは暑さのピークを過ぎて過ごしやすくなりました。
いわゆる雨期の始まりで、夕方になるとまとまった雨が降ります。雨が降るたびに道路が冠水して立ち往生するほどなのですが、どういう仕組みなのか水がはけるのが異常に早くて毎回驚きます。
さて、みなさんは「メキシコ」「メルカドバッグ」と聞いて、どんなカバンを想像されるでしょうか??
ここ数年、「メヒコが熱い!」といううわさをよく耳にします。特に、「メルカドバッグ」は大人気で日本でも飛ぶように売れているという話です。ビニールで編まれたバッグは夏らしさも満点で何よりかわいいので日本で人気なのにも納得です。
日本で人気のタイプの持ち手が肩にかけられるおしゃれなメルカドバッグは町の中でセニョーラたちが持っているのを見かけることがありますが、本当のメルカド(市場)では、あまり見かけないような気がします。
村のメルカドでは、このような持ち手が短くてカクカクした大容量メルカドバッグを持って歩く人がたくさんいます(写真1)。年齢性別は関係なく、セニョール(おっちゃん)たちもこのカラフルなバッグをもってうろうろしている様子は、「なんかいいなぁ」といつも見とれてしまいます。
このタイプのメルカドバッグは大容量でしかもビニールでできているので丸ごと洗えたりしてかなり実用的だと思います。(写真2)
最近世界的にプラスチックごみの削減が叫ばれていますが、メルカドバッグに野菜を直接突っ込んだ光景はめちゃくちゃエコ。(その反面で屋台で大量にプラスティック容器が使われてゴミ箱がプラゴミであふれかえっているのを見ると、エコなんだがそうじゃないんだか矛盾した何とも妙な光景ではありますが。)
これはディスプレイ用にちょっとかわいく使われていますが、このタイプのかごをもって買い物に行くセニョーラも村では多いです(写真3)。1週間分の食料を買いだすときは前述のタイプのメルカドバッグで、その日に必要なものをちょこちょこ少しずつ買うというときはこちらのかごが使われている気もします。あるいは、地域的なものなのでしょうか。テオティトランデルバジェという村の朝市ではこのかごを持つ人を多く見ます。
ここまでは、民芸的な香りのするカバンの紹介でした。が、おそらくリアルに一番メルカドで見かけるタイプのカバンはいわゆる「ノベルティグッズ」でもらったであろうカバンです。
店の名前や住所、何屋さんかわかるようなファンキーなイラストなどが描かれていて、そのちょっとダサい感じ(出したくても出せないタイプのダサさ)が逆にめちゃくちゃ味になっていて、もらえると妙にうれしくなります。なにより、「日常で使える」という点でポイントが高いです。
こちらは鶏肉屋さんでもらったカバンです(写真4)。印刷はシルクスクリーンのことが多いです。もちろんどちらにかけても店の宣伝になるように両面印刷です。このあたりはデザイン性の高さよりも、店の宣伝を一番にとるメヒコ人の周到な感じが出ていると感じます。
こちらはパン屋さん(写真5)。日本ではパン屋さんというと、せいぜい家族分くらいの菓子パンや総菜パンをちょこっと買うくらいなのでこんなにでかいカバンがパン屋さんで配られるというのは不可思議な感じがすると思うのですが、メヒコでは「ボリージョ」というパンが相当数消費されます。(写真6)
コッペパンのようなフランスパンのようなパンなのですが、食事と一緒に出てきたり、半分に割って具をはさめばサンドイッチのようになるのでかなりの万能選手です。その消費量たるやおそろしく、家族も多いメヒコですのでビニール袋にいっぱい買っている人もよく見かけます。それをしょって店を出ていく様は、さながらサンタクロースです。(写真7)
このように、メルカドバッグはノベルティグッズの王道なのです。日本ではボールペンやうちわなどが多いですが、カバンをもらうことはあまりないような気もします。
そして、CDMXで発見したのがこちら。(写真8)
カバンのボディだけを取り扱う専門店です。
とにかくいろいろな種類がありました。サイズも形態も色も選び放題です。このエリアは、印刷(特にシルクスクリーン)に関したものを売る店が立ち並ぶエリアで、似たような店が続くので、カバンを扱った店の周りもかばん屋さんということが多く圧倒されます。同時に、みれば見るほどオリジナルカバンを作ってみたいという欲もわいてくるので不思議なものです。
ノベルティグッズに関連してLISKUL社の記事を読んでいると、マクロミル社がおこなったアンケート結果「よくもらうノベルティグッズ」と「もらってうれしいノベルティグッズ」が載っていましたが、「メルカドバッグ」のメの字も見当たりませんでした。
ところ変われば文化も価値観も変わりますが、それがこんなところにも出るのはおもしろいですね。個人的には、もっと質のいいクリアファイルがメヒコに普及すればいいのになぁと思います。
そして、プラスチック削減が叫ばれる昨今の日本でもノベルティメルカドバッグがはやるのかが気になるところです。
それでは、また来月お会いしましょう!