(株)和光
足跡2
前回からスタートしたアームストロング船長の月面に残した足跡のデボス加工をしていきましょう。
まず、足跡の画像の中から、良いアングルの画像を探します。
結構良い物が見つかりました。(写真1)
この画像をベースにして、データを作成していきます。
まず、画像をもとにトレースしていきます。どこを境界線にするのか、また、トレースの線の滑らかさは、個人のセンスが問われます。私は、この点は苦手なのですが、自分を信じて作業を進めます。
トレース完了です(写真2)。ここから、データを作成していきます。デボス加工は、凹ませる所と凹ませない所の2通りの表現しか出来ないので、頭のなかでイメージしながら作業を進めていきます。今回は、足跡なので、シューズが凹んで、地面が凹まない。と単純なので、イメージし易いです。
初期データ完成です(写真3)。マゼンダ部分が凹んで、それ以外が凹みません。ここで、問題が発生しました。お気づきの方はおられると思いますが、シューズのストライプ部分(データでは凹まないシマシマ部分)ですが、実際は、もう一段凹んでいます。2段デボスとでも申しましょうか。デボス加工は先ほど書きましたように、凹む、凹まないの2つの表現しかできないので、2段デボスは表現できません。今回は、叩き台として「1.単純にデータを作成して、デボス加工をする。」なので、どうするか考えながら、そして、1回加工をして自分の心に火をつける意味もあり、このまま作業を進めます。デフォルメもデザインの内です。ポジティブに考えましょう!デボスを止めるな!です。
デボス加工でも、上版と下版で挟み込んで加工をするので、下版のデータを作成します。
データの赤い部分が上から押さえるデータで、青い部分が下から突き上げるデータです(写真4)。紙を挟み込みますので、隙間を設けてあります。
次回は、このデータから版を作成したいと思います。
さて、活版印刷業界に偉大な一歩の足跡を残すことができるでしょうか。