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三星インキ株式会社
印刷に関連するマークについて
– 植物油インキマーク –

皆さんの回りの印刷物やご使用の印刷インキの片隅に、何か見慣れないマークが付いているのを見られた事があると思います。

これらのマークの多くは環境や安全性への対応を考慮している事を明記するものであり、印刷インキ等ではマークが4つや5つも付いたものもあります。

我々印刷関連を取り巻く環境は日に日に厳しくなり、印刷インキに関しても様々な要請や規制が出てきています。従って、使用される方々に安心・安全を明確にする為に各社対応を行っていますが、その内容が数多くあることから様々な制度(マーク)が存在しています。

これからは、印刷に関する様々な制度について説明させて頂きますので、目的に応じて選択肢の一つとして頂ければと思います。

まずは印刷インキや印刷物に広く使われている制度(マーク)についてご説明させて頂きます。

植物油インキマーク(ベジタブルインキマーク)制度

当該マークは読んで字の如く、植物成分をインキ中に含有させたインキである事を明確にする為に設定された制度であります。

印刷インキを構成する原料には、色材・樹脂・低粘度成分・補助剤といったものが挙げられますが、この内、低粘度成分には鉱油と呼ばれる成分があり、一般的には石油由来の液状物質であります。

しかし、1970年代に発生したオイルショックを機に『脱石油』という事が掲げられましたが、印刷インキもそれに漏れず、当時最も出荷量の多かった新聞インキに使用している石油系成分の削減が求められました。その際に、アメリカで大豆の生産を拡大する方法の一環として、石油系成分(鉱油)の一部を大豆油に置換えたインキの開発が進み、規定量以上の大豆油を使用した製品はアメリカ大豆協会(ASA)から承認を受け、大豆油インキ(SOYインキ)として販売する事ができるようになりました。

この流れは日本にも押し寄せ、当時日本で出荷量の多かった平版インキのSOYインキ化を各インキメーカーが開発を行いました。その後、平版インキはSOYインキが主流となり、2000年代初頭は平版インキの約7割以上がSOYインキとして販売されていました。

SOYインキ

SOYインキ

しかしながら、昨今の地球温暖化に伴う異常気象等の影響で各地の穀物凶作の発生や、化石燃料の代替としてバイオ燃料の需要が拡大し、食料である大豆を原料とする大豆油に限定して環境対応型インキの原料とすることは望ましい事とはいえず、一般的に非食用とされる他の植物油にも使用を拡大することが重要と考えて、2008年に印刷インキ工業連合会がSOYインキを包含した『植物油インキマーク(ベジタブルインキマーク)』制度の制定・運用を行いました。

当該マーク制度はSOYインキ同様に、インキ中に植物油成分を規定量以上含有する製品が対象となり、制度開始から約10年経った現在、オフセット平版インキのほとんどが植物油インキマーク対応製品となっています。

植物油インキマークの定義としては以下の条件が挙げられます。

1.植物油とは

再生産可能な大豆油、亜麻仁油、桐油、ヤシ油、パーム油等植物由来の油、及びそれらを主体とした廃食用油等をリサイクルした再生油。

2.植物油インキとは

インキ中に含有する植物油、または植物油を原料としたエステルの合計が、含有基準量以上のインキ。

※含有基準量
・新聞オフ輪インキ:30%以上
・ノンヒートオフ輪インキ:30%以上
・枚葉インキ:20%以上(但し、金、銀、パール、白インキ:10%以上)
・ビジネスフォームインキ:20%以上
・ヒートセットオフ輪インキ:7%以上
・各種UVインキ:7%以上
・フレキソインキ:植物由来のタンパク3%以上

なお、当該マーク制度は植物油インキマーク対応製品の使用を条件として印刷物にもマーク表示する事が可能であり、2020年4月8日時点で2,654社の印刷会社と使用にあたっての許諾契約を結んでおり、数多くの印刷物に表示されています。

ベジタブルインキマーク

ベジタブルインキマーク

なお、このマークは、葉から滴る露をインキに見立ててシンボルマーク化したものであり、葉からインキが生成される訳ではないですが、植物から生まれたインキと言う方程式を理解しやすくするため、配色も緑1色としています。

(参考:印刷インキ工業連合会)

SOYインキ

SOYインキ

ベジタブルインキマーク

ベジタブルインキマーク