平和紙業株式会社
紙と取り組むSDGs① -SDGsの考え方-
昨年の1月に本コラムに「SGDs」について掲載してから1年半が経ちました。
当時は、まだまだ認知度の低かったこの「SDGs」も、今では、毎日のように多くのメディアが取り上げるようになり、認知度も向上してきています。
「SDGs」の最も大事なところは、SDGsの最後の“s”にあります。
Sustainable Development Goalsの「Goals」の“s”です。つまり、複数の「Goal」があると言うことを示唆しています。
2030年までに「「誰一人取り残さない-No one will be left behind」世界の実現を理念とし、そのための目標が17個用意されています。
皆さん一人一人が出来ることを、強制的ではなく、自発的に行動の目標から選んで、実施することが望まれています。(写真1)
「Sustainable Development Goals」を日本語に訳したものが、「持続可能な開発目標」です。
この「Development(開発)」が、とても意味のある言葉です。
私たちは「開発」と聞くと、ついつい、土木工事や農地開発のようなものを想像しがちです。
しかし、ここで言う「開発」とは、人材開発、商品開発などのように、「これまでに無かったものを新たに創り出す。」と言う意味です。
多くの企業が、SDGsの活動に参加しようとするとき、その企業が現在行っている活動が、SDGsのどの目標に合致しているかを考えがちです。
しかし、本来の考え方は、今は、その活動を行っていないが、2030年を目標にして、新たに何が出来るかを考えることが大切なのです。
これは、一種の経営判断でもあり、経営方針のようなものです。企業の経営層が、自社の目標を設定し、その目標に向かっていくことが、本来の意味です。
個人も同じで、これまでしていること以外に、これからすべきことを考え、行動に移すことが「開発」の意味なのです。
それが、難しいことであっても、多くの人や企業が参加することが重要で、そのため、その目標が達成できなくても、罰則規定は用意されていません。
そして、この新たに行う行動が、持続的であること、つまり一過性に終わらず、将来も継続して進められていくことが、SDGsの大きなテーマでもあるのです。
また、企業において陥りやすいのが、17の目標の内、掲げる目標の数についてです。
掲げる目標が少ないと、何だか格好悪いので、ある程度の目標を掲げがちです。
それが悪いというわけではありませんが、出来ることを確実に行うことの方が重要ですので、例え掲げるのが1つの目標だけでも、決して恥ずかしいものではありません。
多くの方に「SDGs」が認知されるようになったことは、それなりの効果があったと思います。しかしながら、メディアの取り上げ方に何となく偏りがあるようで、その点が少し気になるところです。
昨今のメディアでは、環境問題を解決するのがSDGsの考え方であるかのような取り上げ方をしていることをしばしば目にします。
確かに環境問題も目標の中にはありますが、17の目標の中で、直接環境問題に触れているのは、わずか3つ、「13.気候変動に具体的な対策を」「14.海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさも守ろう」だけです。
環境問題は私たちの生活の中で、分かり易く、取り組みやすい課題でもありますので、目標に掲げやすいのは事実です。
しかし、SGDsの17の目標は、社会インフラの整備、食糧問題、経済問題、平等性、教育・福祉、産業基盤など、多くのテーマがあり、それぞれが、相互に関連性を持っています。
環境問題も間接的には他の目標とも関係性が生じますが、環境問題がSDGsの中核をなしているわけではありません。
先ずは17の目標がどういったものなのかを、整理して考えてみることが、SDGsへの取り組みの第一歩になります。
昨年1月に平和紙業はSDGsへの取り組みをまとめました。
次回からはこの取り組みをもとに、SDGsを深堀してみたいと思います。
平和紙業㈱のSDGsへの取り組みはこちら
https://www.heiwapaper.co.jp/sdgs/sdgs.html
(写真2、3)