平和紙業株式会社
レジ袋について考える②
レジ袋が有料化されてから、スーパーやコンビニなどでレジ袋を辞退し、マイバッグなどを持参する方が増えている反面、ネット通販や100円ショップなどでは、販売されるレジ袋の需要が増加していると言われています。
これは、スーパーのレジ袋に払うお金より、安く手に入るのが要因だそうです。
これまで家庭で出る生ごみなどを、スーパーなどで貰えるレジ袋を利用して廃棄することは、日常の生活として定着していて、これを抜本的に変えることは難しいのが現状の様です。
ひと昔前のように、生ごみなどを古新聞に包んで捨てることは少なくなり、レジ袋がいかに生活に密着しているものかを考えさせられます。
余談ながら、新聞の購読者も減少し、新聞を取らない家庭も増加しており、そもそも古新聞が無い家庭が増えているのも事実です。ネット通販のアマゾンなどでは、新聞紙が緩衝材として販売されているのを見ても、いかに家庭に古新聞が無いかが分かります。
前回もお話しした通り、レジ袋を使うのが悪いわけではなく、レジ袋を自然界に放置せず、必要最低限を上手く利用し、正しく処理することが必要なのです。
ニュースなどで取り上げられるように、海洋に漂うレジ袋を、クラゲと間違えて、ウミガメが食べてしまい、結果死に至らしめる事故が増加しています。石油由来の製品は、自然界で分解することはありません。波や風によってマイクロプラスチックとなり、海洋生物に捕食されることにも繋がっています。
海洋プラスチックの多くのプラスチック製品はレジ袋だけではありません。普段の生活で使用しているペットボトルや、食品用トレーなど、様々なものがあります。私たちの今の生活を便利にし、それゆえ必要とされているものばかりです。(写真1)
日本には、「容器包装リサイクル法」という法律があります。
紙製・プラ製の使用後の容器を、消費者は分別して排出し、市町村は分別収集し、紙製・プラ製の容器を製造する業者や、容器包装を使って中身の販売をする事業者は、リサイクル(再商品化)の義務を負います。この3者の役割分担を決め、3者が一体となって容器包装廃棄物の削減に取り組むことを義務づけた法律です。
私たち一般の消費者には、市町村の分別基準によって、ごみを分別して排出することが求められています。これによって、資源として再利用できる廃棄物を、効率的に回収できるようになります。(写真2)
(※市町村により分別基準は異なりますので、地域の基準をご確認ください。)
また、市町村の定めた分別基準に従い、分別排出に努めるだけでなく、 マイバッグやエコバッグを持参してレジ袋をもらわない、簡易包装の商品を選択する、リターナブル容器を積極的に使うなど、生活の様々な場面で、ごみを出さないように努めることも求められています。
レジ袋を生活の中から排除できないのであれば、少なくともその他のプラスチック容器は、分別し、回収することが何よりも大切な事です。
もちろん、他の素材、例えば紙などに切り替えられるものは切り替えていくことも含めて、日々の生活をもう一度見直す時期に来ています。
紙と言えば、先日、紙表面に付着したウイルスを99%以上不活性化する紙『npi抗ウイルス上質』(※1)を世に送り出しました。薬局で使われる薬の袋をはじめとして、多くの方の手に触れる飲食店のメニューや、封筒、パンフレットなど、コロナ禍における新しい生活様式の一場面で活躍すると思います。(写真3)
ただし、新型コロナウイルスに対しての効果は、残念ながら確認されていませんが、エンベロープを持つウイルスに対しては、検証されています。
紙だからこそ使える用途など、多くの場面で利用できるのではないでしょうか。
紙とプラスチックの共存関係はこれからも続くものと思われます。
紙だからできること、紙にしかできないこと、あらためて考えてみませんか。
(※1)『npi抗ウイルス上質』の詳細はこちら
http://www.heiwapaper.co.jp/products/details/140121.html