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平和紙業株式会社
機能のある紙(その6)

梅雨が明けたかと思うや否や、猛暑の夏がやってきました。
もはや猛暑を通り越して酷暑です。
少し前まで、気温が35度を超えるなんて、ひと夏に何回も無かった気がしますが、いつの間にか当たり前のようになってきました。
一方で、台風もいくつか日本列島を直撃し、被害に遭われた方には、心よりお見舞い申し上げます。

再々申し上げる通り、紙は湿度に敏感に反応します。
湿度が上がれば、紙が湿気を吸収し、湿度が下がれば、紙の中の水分を放出します。

では、熱に対してはどうなのかというと、紙の発火点は意外と高く、450度位と言われています。従って、ホットスタンピングという名の通り、金型に熱を与えて、金銀の箔を転写する箔押し加工で、120度~150度位の熱を加えたくらいでは燃えることはありません。
紙の上に意匠として施される箔押しは、見た目の豪華さから、高級感を演出するには、うってつけの加工の一つです。

箔押しと同じ要領で、紙に直接加熱した金型を押し当てることで、紙に意匠性を持たせることができる紙があります。
紙の中に特殊な樹脂を混ぜることで、加熱した金型を押し当てた時、その樹脂が溶け、金型の当たった部分の色を変化させることができるものです。

紙色が白い場合、加熱した部分は、半透明化します。
また、紙色が濃色の場合、加熱した部分は更に濃度が上がり、紙の地の色とのコントラストが大きくなります。

こうした特殊な樹脂を混ぜた紙として、代表的なものは「OKフロート」という紙です。
紙の表面には繊維状の特殊な樹脂がチラチラと見え、紙素材としての意匠性もあります。

そして、この「OKフロート」をベースに、表面にパール加工を施した「OKムーンカラー」は、加熱型押しを施してもパール感は損なわれず、紙の地の色とのコントラストの美しい仕上がりとなります。

更に「OKフロート」をベースに揉み柄を既に型押しした「OKリリック」も、揉み柄の意匠性とともに、不思議な印象を与えます。

特殊な樹脂を混ぜているとはいえ、通常のオフセット印刷には、問題なく対応していますので、オフセット印刷に、加熱型押しをプラスすることで、表現の幅が大きくなります。

ただし、注意していただきたいのは、加熱する温度と、加熱している時間によって、色の変化に差が生じますので、温度と時間については、実際にお試しいただき、最良なポイントを見つけていただく必要があります。
ひと手間かかることではありますが、このひと手間で仕上がりが大きく変わりますので、ご配慮のほどよろしくお願いします。

グラフィックをはじめとした、表現の幅を広げるためにも、こうした加熱型押しで、意匠性をプラスできる紙のあることを知っていて損は無いと思いますよ。

OKフロートは厚みによって色数が変わりますが、全13色。
http://www.heiwapaper.co.jp/products/details/0702080.html

OKムーンカラーも厚みによって色数は変わりますが、全4色。
http://www.heiwapaper.co.jp/products/details/0702200.html

OKリリックは四六判90㎏のみで、全6色。
http://www.heiwapaper.co.jp/products/details/0702120.html

そういえば昨日、近所の公園で赤とんぼが飛んでるのを見かけました。
暑い夏もあと少しです。
熱中症に気を付けながら、もうひと頑張りしましょう。

OKフロート | 機能のある紙(その6) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

「OKフロート」に加熱型押しをすることで、紙の地の色との濃淡がはっきりします。
白い紙色では、半透明化し、濃色では、より濃い色となり、濃淡のコントラストがはっきりします。

OKフロート | 機能のある紙(その6) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

同様に「OKフロート」に絵柄を加熱型押しすると、型押しした部分の濃度が上がるのがよくわかります。

OKフロート | 機能のある紙(その6) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

「OKフロート」に加熱型押しをすることで、紙の地の色との濃淡がはっきりします。
白い紙色では、半透明化し、濃色では、より濃い色となり、濃淡のコントラストがはっきりします。

OKフロート | 機能のある紙(その6) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

同様に「OKフロート」に絵柄を加熱型押しすると、型押しした部分の濃度が上がるのがよくわかります。