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生田信一(ファーインク)
Makuakeのクラウドファンディングでオリジナル手帳「maketimeplanner2025」の募集が始まりました

Makuakeのクラウドファンディングでオリジナル手帳「maketimeplanner2025」の募集が始まりました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

今回のコラムは、2025年度版の手帳をご案内します。秋の手帳のシーズンにはまだ少し早いのですが、一般社団法人日本手帳クリエイター協会代表理事で、手帳活用プランナーとしてもご活躍され、さらにこれからお話しする「maketimeplanner2025」の考案者でもある宮崎じゅんさんが手がけられたクラウドファンディングの募集が告知されました。

筆者は2年前の2022年、このクラウドファンディングに応募し、この手帳を愛用するようになりました。この手帳の特徴は、コデックス装の外観と、その機能性、使い勝手の良さに集約できると思います。今年の募集は3回目になりますが、この手帳がクラウドファンディングで入手できることを知らない方も多いようです。少しでも多くの方に情報をお伝えしたく、今回のコラムにまとめてみました。ご一読ください。

Makuakeのクラウドファンディングでオリジナル手帳「maketimeplanner2025」の募集が始まりました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

オリジナル手帳「maketimeplanner2025」の製造スケジュール

手帳活用プランナー 宮崎じゅんさんのX(Twitter)で、2025年度の手帳
「maketimeplanner2025」のクラウドファンディング募集の案内が告知されました(写真1)。
https://twitter.com/juunchan

(写真1) | Makuakeのクラウドファンディングでオリジナル手帳「maketimeplanner2025」の募集が始まりました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真1)手帳プランナー 宮崎じゅんさんのX(Twitter)のポスト。

手帳プロジェクト「maketimeplanner2025」のスケジュールは以下の通りです。

Makuakeでの応援購入受付……2024年8月8日まで
生産……8月~9月
お届け……9月末~10月末まで(手帳活用のオンラインセミナーは10月20日開催予定、それ以外のリターンは9月末までに発送予定)

このプロジェクトの募集は、今回が3回目になります。最初に告知されたのは、2年前の2022年でした。筆者は最初の募集のタイミングで申し込んで手帳をゲットすることができました。ゲットした手帳は、2023年の1年間、筆者の日々の業務の中で実際に使ってみました。

手帳を実際に使ってみると、その使いやすさに驚きました。翌年も利用したいと思うようになり、翌年のクラウドファンディングにも応募し、2024年度の手帳をゲットしました。したがって、筆者の手元には2023年度、2024年度の2冊があります(写真2)。

(写真2) | Makuakeのクラウドファンディングでオリジナル手帳「maketimeplanner2025」の募集が始まりました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真2)筆者が購入した2023年度、2024年度の手帳。2024年の手帳にはカバーが付いていますが、カバーは取り外しが可能なので、2023年に購入したカバーをはずして2024年の手帳に付け替えています。カバーの有無は申し込みの際に選ぶことができます。

この手帳はシンプルな構造のように見えますが、日々使いこなしていくうちに、その使いやすさの秘密に気づくことがしばしばありました。使い込むほどその魅力を再認識し、愛着が増していくのです。今回のコラムでは、この手帳の魅力を探ってみたいと思います。

このプロジェクトを立ち上げたスタッフは以下の人たちです。手帳プランナー 宮崎じゅんさん、文具ノベルティおよびオリジナル文具の企画販売を行う株式会社ノウト代表 高木芳紀さん、イラストレーター、グラフィックデザイナー おおきひろみさん、手帳・ダイアリーの製造を主業とする印刷製本のメーカー 菁文堂株式会社さんのみなさん、といった人たちです。

みなさん、文房具のプロフェッショナル、といった人たちで、魅力的な商品に仕上がったことも納得できます。
プロジェクトがスタートしてフィニッシュするまでの経緯は、以下の12本のNote記事で知ることができました。
「オリジナル手帳(maketimeplanner)ができるまで」

(写真1) | Makuakeのクラウドファンディングでオリジナル手帳「maketimeplanner2025」の募集が始まりました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真1)手帳プランナー 宮崎じゅんさんのX(Twitter)のポスト。

(写真2) | Makuakeのクラウドファンディングでオリジナル手帳「maketimeplanner2025」の募集が始まりました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真2)筆者が購入した2023年度、2024年度の手帳。2024年の手帳にはカバーが付いていますが、カバーは取り外しが可能なので、2023年に購入したカバーをはずして2024年の手帳に付け替えています。カバーの有無は申し込みの際に選ぶことができます。

製造(ハード)面の視点から観察する

まずは手帳の外観を観察し、製造(ハード)面の視点から見ていきましょう。

手帳本体は、糸綴じ、背巻き式のコデックス装の仕様になっています。コデックス装は、糸綴じの背中をそのまま見えるように本を仕立てる製本様式で、糸が露出した状態がそのまま表れます。しかしこのままでは強度が弱くなるので、通常は背の部分に寒冷紗(細く平織りされた薄い布)を貼り、補強します。通常の書籍では、背を覆って隠すように表紙を巻く加工を行うため、寒冷紗は見えなくなります。

糸綴じのコデックス装を採用する利点は、ページの開きがよくなり、ページが180度水平に開くようになることです。文房具としての手帳は、ページを180度開いてノドの奥まで書き込む場合がありますから、ページが180度開くことは手帳の大きなメリットになります。

また、本文用紙に菁文堂手帳用紙が選ばれていることも、大きな特徴のひとつになっています。本文用紙を指で触ってみると、つるつるなめらかでしっとりとした肌触りを感じます。この用紙は、水性や油性のインクやボールペンなどのさまざまな筆記用具との相性がよく、筆記特性に優れています。菁文堂手帳用紙については、以下のコラムを参照ください。
「新しい菁文堂手帳用紙のお話」

デザイン(ソフト)面の視点から観察する

「maketimeplanner2025」の本文ページには、さまざまな種類のフォーマットデザインが収録されています。

●2年分のカレンダー(2025~2026)
●年間計画2か年分(前年と本年)
●フリーの年間計画
●1年の大まかな予定(ブロックイヤリー)
●マンスリーその1(2024年12月~2025年12月)
●マンスリーその2(2024年12月~2025年12月)
●2026年の半年計画+5年計画
●ウィークリー(2024年12月1日の週~2025年12月31日の週)
●9マス(マンダラチャート)
●一ヶ月の振り返り(2024年12月~2025年12月)
●リストページ
●フリーページ
●サブスクメモ&365マス
●幅広い年間表ページ
●縦30マス、横15マスの自由ページ。(右ページは折り込みになっています)

各ページの詳細は以下を参照してください
Makuake「自分のペースとスペースを取り戻す手帳 make time planner2025」

筆者が市販の手帳から選ぶ場合に最初に確かめるのは、一週間の予定を書き込むウィークリーのページフォーマットです。バーチカルタイプ(見開き1週間で、横に日付、縦に1日の時間軸があるタイプの手帳)が筆者の好みなのですが、このフォーマットでは1週間の予定を俯瞰して眺めることできるので、視覚的に把握しやすくなります(写真3)。

(写真3) | Makuakeのクラウドファンディングでオリジナル手帳「maketimeplanner2025」の募集が始まりました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真3)ウィークリーの見開きページ。1週間が見開き2ページで構成されています。早朝4時にはじまり、深夜24時までの時間の表記があります。睡眠時間には背景にうっすらと色がついているので、視覚的にも理解しやすい作りになっています。

ウィークリーのページは手帳全体の中で大きな割合を占めるため、手帳を選ぶ際の大きなポイントになります。自分の理想に近いデザインであればいいのですが、理想とするデザインの手帳に出会うことは少なく、手帳選びには毎年のように苦労していました。この点で、「maketimeplanner2025」のウィークリーのページは筆者の理想に近い形であるように思います。

そのほか細かな配慮として、この手帳の罫線が目に優しく感じることを挙げたいと思います。罫線が優しく見えるのは、薄い色の罫線が実線ではなく破線(ドット)で作られているからです(写真4)。目に優しい印刷を心がけたいときに知っておきい印刷テクニックのひとつで、破線(ドット)の罫線の例は随所に見ることができます。例えば3ミリ方眼のページも同様の技法で処理されています。

(写真4) | Makuakeのクラウドファンディングでオリジナル手帳「maketimeplanner2025」の募集が始まりました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真4)罫線部分をルーペで拡大して撮影。罫線が破線(ドット)になっているのがわかる。

(写真3) | Makuakeのクラウドファンディングでオリジナル手帳「maketimeplanner2025」の募集が始まりました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真3)ウィークリーの見開きページ。1週間が見開き2ページで構成されています。早朝4時にはじまり、深夜24時までの時間の表記があります。睡眠時間には背景にうっすらと色がついているので、視覚的にも理解しやすい作りになっています。

(写真4) | Makuakeのクラウドファンディングでオリジナル手帳「maketimeplanner2025」の募集が始まりました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真4)罫線部分をルーペで拡大して撮影。罫線が破線(ドット)になっているのがわかる。

プロジェクトのリターン商品

2025年度のクラウドファンディングのリターンには、さまざまなオプションが用意されています。これらを組み合わせてリターンの商品を選びます。以下にプロジェクトのリターン商品を整理します。

●「maketimeplanner2025」本体(4色から選択)
●「maketimeplanner2025」プレミアム本体(シルバー表紙)
●「A5スリムバイカラー方眼ノート」(5色から選択)
●「A5スリム手帳カバー」(マットor透明)
●「A5スリム特製下敷き」(シルバー)
●「宮崎じゅん手帳活用ZOOMセミナー」

「maketimeplanner2025」が手帳本体になります。こちらは、表表紙と裏表紙で色が異なるバイカラー(2つの色という意味)の仕様で、以下の4種類の色の組み合わせが選べます。

1)ラベンダー×ボルドー
2)イエロー×ネイビーブルー
3)スモークグレー×ブラック
4)ピーコック×スカイブルー

さらに今回は3周年記念としてシルバー表紙のプレミアム仕様の手帳が加わりました。

5)シルバー×シルバー×飾りタイトルの箔押し

プレミアム仕様の表紙の紙は、表面感のあるマットなシルバーの紙(五條製紙・スペシャリティーズ1624-FS)を使用します。さらにそこに、飾り枠とともに手帳の名前を銀で箔押しした仕様になるそうです。

また、本体とは別に、「A5スリムバイカラー方眼ノート」があり、アクセサリーとして「A5スリム手帳カバー」、「A5スリム特製下敷き」も作られるとのこと。

また、リターンの商品には、手帳の考案者 宮崎じゅんさんが解説するオンラインセミナーが含まれています。このセミナーは『maketimeplanner下ごしらえ&活用講座』として、通常は2つの別講座をいっしょにしたお得版になっているとのこと。質疑応答を含めて3時間を予定しています。※ 10月20日(日)の配信を予定していますが、当日ご覧になれない方も2025年の1月末までアーカイブ配信があります。(セミナーはZOOMを利用します。受信環境はお客様でご用意ください。)

クラウドファンディングを利用するわけ

オリジナル手帳の募集にクラウドファンディングを利用するわけを、宮崎じゅんさんは以下のように述べています。 
参照→「宮崎じゅんさんの手帳「maketimeplanner2025」makuakeにてスタート!」

「おかげさまで3年目となるこの手帳「maketimeplanner2025」、実はいつも辛い思いをしておりまして。

と言いますのは、毎年秋も深まるころになると、「宮崎じゅんさんの手帳を買いたいのですが、どこにも売っていません。何とかなりませんか?」「クラウドファンディングをしていたなんて知りませんでした。とても困っています。」というようなお問い合わせをいくつもいただくのです。

手帳の業界では常識なのかもしれませんが、返品覚悟で余分に作って、売れなかったら廃棄するということをしたくないというのが、わたしたちチームの根底にある思いです。

ですから、しつこいと思われる方もいらっしゃると存じますが、なるたけ「クラウドファンディングが始まっていますよ」ということを周知したく、ご案内に努めております。

期間は8月8日までとなっております。まだまだ先のことですから、後でいいやと思ったら、必ず忘れます。ぜひ、早めにお申し込みをお願いいたします。

ちなみに、一般発売用も少しはご用意いたします。しかし、makuakeさんの決まりで、クラウドファンディング時より高く販売しないといけませんので、お客様に損をさせてしまうことになり、それも心苦しいのです。

ノンブルノートNのような一般的なノートと違い、手帳という、日付の入った「紙なのに賞味期限のある」特別な商品であります。どうぞご理解いただき、ご検討いただければ幸いです。」

 

今回のコラムは、クラウドファンディングで作るオリジナル手帳の案内をまとめました。人気の手帳の企画・製造には、業界特有のご苦労があるようですね。申し込みの締め切りが2024年8月8日までとなっていることに再度ご留意ください。

では、次回をお楽しみに!

[実行チーム紹介]

宮崎じゅん

手帳活用プランナー。一般社団法人 日本手帳クリエイター協会代表理事。オンラインサロン 『手帳と向き合う時間』 で自身の実体験と実例、セルフコーチングを元に生きるツールとして手帳の活用を提案、手帳活用講座『明日をかえる手帳術』を開催。2022からmaketimeplannerを考案し発売。国際コーチング連盟ACCを持つプロコーチとしても活動。2022に設立した日本手帳クリエイター協会では、手帳関連イベント『手帳の市』の企画・開催も。
X:https://x.com/juunchan
Instagram:https://www.instagram.com/juunchan/

高木芳紀

文具ノベルティおよびオリジナル文具の企画販売を行う株式会社ノウト代表。「文具の沼の、奥深く。」をテーマに、マニアックでユニークな紙もの(ノンブルノートNやぬりたくり絵など)を企画販売中。『 暮らしの図鑑筆記具 』『 暮らしの図鑑紙もの 』『 暮らしの図鑑文房具 』監修、『 文房具屋さん大賞 』審査員。
URL:https://nouto.co/

おおきひろみ

服飾デザイナーを経て、イラストレーター、グラフィックデザイナーに。アパレルを中心に様々な分野にイラストやデザインを提供。現在は株式会社ノウトのオリジナル文具の企画開発デザインも担当。ファッショナブルな文具企画で業界に一石を投じるべく奮闘中。
URL:http://www.omitment.com/

菁文堂株式会社

手帳・ダイアリーの製造を主業とする印刷製本のワンストップメーカー。近年の手帳の多様性に対応しつつ、一年間の使用でも壊れない耐久性と、毎日何度も開く際にストレスを感じない開きの良さという基本性能を追求し続けている。
URL:https://seibundo.jp.net/