(株)和光
活(い)きた版
私がお会いした活版印刷をされている方々は、趣味にしろ、仕事にしろ、とても生き生きされています。
生き生きは活き活きとも表現できます。
活き活きされている方が作業された活版印刷は、拝見して活き活き見えてきます。
当社はもうすぐ設立50周年を迎える凸版の製版を手掛ける会社で、主にシール・ラベル印刷用凸版を製版しております。もちろん当社の版は活版にも利用されています。
”版を使われる方が印刷しやすい版を製版する”をモットーに、当社も活きた版を製版するのが仕事です。
シール・ラベルの印刷は、オフセット印刷(平版印刷)やオンデマンド印刷(インクジェット印刷)の割合が増えてきてはおりますが、大部分を凸版印刷で印刷されております。(印刷方式の違いについては、三星インキ株式会社様のコラムをお読み下さい。)
私も、この業界に入るまでは、凸版印刷がメインで行われているとは正直、知りませんでしたので、入社時は驚きました。
当社は、現在、樹脂版、真鍮版を製版しております。亜鉛版は数年前まで製版しておりましたが、材料の問題で現在は休止中で、目下再開に向けて努力しております。
データ作成がイラストレーター等のソフトで簡単にできるようになった昨今、凸版印刷方式でのメリット、デメリットの部分を長年培ってきたノウハウで、できるだけ解決するように心がけております。
凸版印刷方式は、皆さんがされている活版が印刷方式そのものです。
紙をセットし、版をセットし、インキを版に乗せ、圧を加えて紙にインキを転写する。
文字でみると単純な4つの工程ですが、アナログ(手作業)の要素が多い分、逆に奥が深い印刷方式です。
紙………紙の種類は大変多く、それぞれの紙で仕上がりの風合いやイメージは全く違った物に仕上がります。
インキ……インキの色もPANTONEを取ってみても数多くありますし、色を混ぜ合わせて調合するをと、色の数は無限大に広がります。
印刷……印刷においても、圧力のかけ方によってデボスのかかり方が違いますし、インキの乗せ具合で仕上がりもかわってきます。
版………版の種類、材質も色々あり、それぞれの特性によって印刷仕上がりも違いますし、エンボスやアミ掛け等、表現方法も多くなります。
今後は、版の種類や特性、製版の仕組み、トラブルについての解決等をお伝えできればと考えております。