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(株)和光
8.5mmの壁その2

8.5mmの壁その2 - (株)和光 | 活版印刷研究所

前回は、熱源を決定しました。つぎに、 Sizzix Sidekickの8.5mmの壁をクリアするよう、厚みを極限まで薄く設定したプラットフォーム初号機を作成します。(写真1)

(写真1) | 8.5mmの壁その2 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真1)

プラットフォームの厚みは、作成できるギリギリのラインの4.5mmで設定。熱源のサイズは希望(願望)の60×96で設定しました。箔押しの版の厚みは1.2mm、天板の厚みは、最低1.5mmを使用しようと思っているので、4.5mm+1.2mm+1.5mm=7.2mmとなります。転写する紙等を考えても8.5mmの壁はクリアします。熱源の上に1mmのアルミ板を置き、その上に箔版を置いて箔押しをしようと思っています。

初号機のお役目は、
1.熱源を組み込んだプラットフォームで、 Sizzix Sidekickを通すことができるのか?
2.どのくらいの箔面積を加熱することができるのか?
3.実際、箔押しは可能なのか?
以上3点を検証するために作成しました。あわよくば、これで完成!といきたいのですが、そう簡単にはいかないでしょう。
まずは、願望のサイズ60x90の加熱は可能でしょうか?加熱してみましょう。仕事の合間を見ての作業なので、作業場は窓際の小さなスペースです。ごちゃごちゃしてお見苦しいですが、ご了承下さい。

(写真2) | 8.5mmの壁その2 - (株)和光 | 活版印刷研究所

結果は、32.8℃で全くだめでした(写真2)。プラットフォームの厚みの制約から、熱源の変更はできないので、箔押し面積を小さくして、適温に加熱できる大きさを見つけていくしかなさそうです。60x90のアルミ板を徐々に小さくしていき、33×21の大きさまで小さくしました。

(写真3) | 8.5mmの壁その2 - (株)和光 | 活版印刷研究所

この大きさで表面温度は、59.1℃になりました(写真3)。経験上、箔の種類を選べば、箔押しが可能と思われます。温度的には、可能であろう温度になりましたが、常に頭の中に、Sizzix Sidekickで箔押しは本当にできるのか?という漠然とした不安がぐるぐる回っています。箔押しができる確証が欲しくなり、小心者の私は、その上に23.5x15のサイズまで小さくし、温度を測ってみました。

(写真4) | 8.5mmの壁その2 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真4)

このサイズだと75.4℃まで温度が上がりました(写真4)。温度も問題なさそうですが、とりあえず、箔をSizzix Sidekickで押して見ないと、ネガティブシンキングな私は、次のステップに進めそうにないので、一度箔を押してみました。

(写真5) | 8.5mmの壁その2 - (株)和光 | 活版印刷研究所

意外とあっさり、箔押しができました(写真5)。今まで頭の中だけで、できるだろうと思っていただけなので、実際箔押しが可能ということが立証できたので、落ち着きました。次は、この熱源で箔押しができる最大面積の割り出しとの戦いです。トライ&エラーの繰り返しは必至です。ご相談を頂いた方は、イベントでご使用になりたいとのことなので、時間的制約とも闘わなくてはなりません。

8.5mmの壁その2 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真1) | 8.5mmの壁その2 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真1)

(写真2) | 8.5mmの壁その2 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真2)

(写真3) | 8.5mmの壁その2 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真3)

(写真4) | 8.5mmの壁その2 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真4)

(写真5) | 8.5mmの壁その2 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真5)