紙ノ余白
楮の芽かき
蝉が徐々に鳴き始め、梅雨明けの気配が感じるこの時期に、
楮を育てる紙漉きの産地で行なわれている「芽かき」についてお話しをいたします。
この頃になると楮は、大体1メートル弱ほどに育っています。
葉が茂り日光を浴び、恵の雨を吸って、どんどん成長して
繊維となる樹皮が太く長く剥げるためには幹が大地から天へまっすぐに伸びてほしいところ、
楮も木ですので、脇芽が出てくるのです。
この脇芽を取ることを「芽かき」と言います。
10センチ弱程伸びているものを眼で探し、ハサミで取っていきます。
これを怠ると、細く短い枝ばかりが増えて、良い原料が得られないことは勿論、
皮剥の手間が増えて、また包丁で外皮やチリを取るときに、枝元に包丁が引っかかって、
紙料となるところまで、削いでしまうことになります。
畑の株一つ一つ、幹1本1本、見落とすまじ、と、
目を皿にして、脇芽を取り除いていきます。
ですが、
この時期は蒸し暑さと虫との闘いもあり、
早朝や夕方に少しづつ作業を行ったり、
土日に皆で力を合わせて作業をする産地もあります。
ですが、1、2週間すると、
また脇芽はニョキニョキ出てきます。
そうすると、また畑の始めの株から芽かきをしていきます。
この作業は楮が人の背を超える秋の始まりぐらいまで繰り返されます。