あみりょうこ
CDMXの面白い印刷関係のお店たち
Mayo(5月)
こんにちは。暑さが絶好調、5月のオアハカです。夕方に雨が降りそうで降らないので、なかなかもどかしい日々です。雨期が始まり、この暑さから解放されるのを心待ちにしているところです。
今月も、先月に引き続きCDMX(メキシコシティ)でみたイロイロの話をしたいと思います。
シルクスクリーンのワークショップを受けていた工房では、本当に「印刷」しか行われていません。
町のノベルティグッズ印刷系のシルクスクリーン工房ではなく、大きなサイズのポスターやアーティストのプロジェクト作品などをするのが主な印刷物でしたが、ステッカーなどの小物も印刷しているときがありました。
1枚の紙に複数のデザインが並んだもので、オアハカならその後はさみでカット、あるいはレーザーでカットというところですが、事務員のおばさんに連れられて行った先は活版印刷の機械が置いてある町の小さな印刷工房。
木の板にスポンジとメタルが埋め込まれたものを持っていたので、不思議に思っていたのですが、工房についてその謎が解けました。(写真1)
それは、ダイカットの型だったのです。プレス機にセットして、その圧で先程工房で大量に印刷されたステッカーを切り抜くのです。確かにこの方がレーザーで切っていくよりも早いです。
日本でもこのダイカットをする様子を見かけたことがあるのですが、型がもっとスタイリッシュだったような……と思いながら、あっという間にカットされていくステッカーたちを見ているうちに、プレス機のポテンシャルにすっかり見惚れてしまっていました。
型の近影(写真2)。これを見ただけでは、何をするものなのか全く予想が付きませんでした。
カットされたステッカーを持って帰りながら、「あの木がまさかあんな使われ方をするなんて!!」と興奮気味に驚く私を見て、事務員さんが連れて行ってくれたのがこんな工房です。(写真3)
型のみをつくっている、なんともニッチな工房!
お客さんが持ってくる紙をもとにして、木を切って、金属板を折り曲げて、そして周りをスポンジで補強してその板をつくります。この型は「suaje(スアへ)」とよばれるそうです。
メヒコでは、エリアごとに似たようなお店や問屋が集中する傾向にありますが、このエリアはまさに「印刷関係」のものが一堂に集まったエリアだったのです。
Tシャツのボディなどを売ったお店や、インク屋さんはもちろん、道端にシルクスクリーンの枠や機械が並んでいるのできょろきょろしっぱなしでした。(写真4)
店先の壁はステッカーまみれにされているものや、情報掲示板のようになっています。印刷工やシルクスクリーンプリンターの求人案内にまぎれて、プレス機も売りに出されていました。(写真5)
これはまた別のエリアにあるお店です。「ギロチンのサービス」という思わずぎょっとする名前ですが、紙の断裁をしてくれるお店です。(写真6)
中に入ると、めちゃくちゃ大きないかつい機械が2台ほど置いてあって、紙を裁断しまくっていました。
業者向けの大口のカットが奥の機械で行われていて、手前にある方の機械では、一般のお客さんが列をなしています。みんなそれぞれに印刷された紙を持って並んでいます。
自分の番が来ると、切ってほしい箇所を伝えます。すると、慣れた様子で機械をセットして、ボタンを押すと大きな刃がおりてきてあっという間に裁断完了です。
1カット当たり2ペソか4ペソ(20~40円くらい??)だったと思います。や、やすい!!
連れて行ってくれた人はデザイナーの人で、デジタルの仕事はカフェでこなしていると教えてくれました。同行した日は、前日に工房を借りて刷ったシルクスクリーンのカットされる前のものをもってやってきて、紙はここで裁断して、その後箱が大量に売っているお店で名刺ケースを買い、駅で人と待ち合わせして、ドライブスルー的に名刺を納品をして、お腹がすいたからと道端のタコス屋に連れて行ってくれて、信号待ちの瞬間に道端のアイス屋さんでこれまたドライブスルー的にアイスを購入という、「メヒコっぽいスピード感」を存分に見せつけてくれたのでした。
やっぱりなんだかおもしろいメヒコの印刷事情です。