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(株)和光
スクリーン線数の「スクリーン」について

前々回は、アミ点についてご説明させていただきましたが、その時、線数のところで、「スクリーン線数」と書きました。では、そのスクリーンとは何なんでしょうか。

私は、スクリーニングすると同じ意味で理解しています。スクリーニングとは、データ上の濃淡をアミ点に置き換える事です。

スクリーニングには、大きく分けて2つに分かれます。

1.AMスクリーニング(Amplitude modulation screening)

色の濃淡をアミ点の大小で再現するスクリーニング技術で、前々回でご説明させていただいたように、アミ点の大きさが小さければ淡く(薄く)、大きければ濃く印刷表現できます。
その形状には、ラウンド(Round)、スクエア(Square)、エリプティカル(Elliptical)などがあります。(写真1)

AMスクリーニングの形状 | スクリーン線数の「 スクリーン 」について - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真1)

・スクエア(Square)
アミ点の形状が四角でできています。
50%以上の%で、隣合わせのアミ点の四隅が繋がるため、トーンジャンプが発生しやすい。

・ラウンド(Round)
アミ点の形状が円形でできています。
トーンジャンプが発生しにくいですが、濃度が高いアミが印刷時にインキ詰まりが発生しやすい。

・エリプティカル(Elliptical)
アミ点の形状が楕円でできています。
濃淡の階調の変化がなめらかで、トーンジャンプが発生しにくい。

トーンジャンプについて説明しますと、トーンジャンプとは、階調飛びのことで、本来はなめらかな階調でできているグラデーションなどが印刷すると境目ができたり、帯状の模様が発生すること
で、50%を境目として、アミ点の印刷する部分としない部分の範囲が逆転するため、特に50%部分でマージナルゾーンの発生によって急に濃くなり、スジのような物が見えるようになります。(写真2)

トーンジャンプ | スクリーン線数の「 スクリーン 」について - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真2)

また、マージナルゾーンとは、凸版印刷方式の特徴で、版表面にのせたインキを、圧力によって紙に転写する際、インキが圧力によって押し出されるため、画線部の周りにインキのはみ出し部分ができ、またその内側部分にインキの不足部分ができるので、画線部の周りにインキの濃い輪郭ができます。これをマージナルゾーンといいます。(写真3)

マージナルゾーン | スクリーン線数の「 スクリーン 」について - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真3)

AMスクリーニングには、他にも色々な形状あり、できるだけデメリットを無くすように開発されています。一番上のEuclideanはラウンドスクエアと言われ、中間をスクエアにし、濃い部分の濃度変化を綺麗に再現できるように開発されたものです。当社では、この形状を採用しております。

AMスクリーニングの形状 | スクリーン線数の「 スクリーン 」について - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真1)

トーンジャンプ | スクリーン線数の「 スクリーン 」について - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真2)

マージナルゾーン | スクリーン線数の「 スクリーン 」について - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真3)

2.FMスクリーニング(Frequency Modulation Screening)

AMスクリーニングがアミ点の大きさで色の濃淡を表現しようとするものに対し、FMスクリーニングは、マイクロドットとよばれる細かい均一な点を必要濃度分ランダムに配置するスクリーニング技術で、AMスクリーニングより高精細な印刷が可能になります。当社では、以前製版可能でしたが、設備の更新で製版できなくなりました。そのため、資料画像がご用意できません。申し訳ありませんが、インターネット等で検索をしていただいて、FMスクリーンがどのようなものかご覧ください。
FMスクリーニングは先程の説明のように、細かい均一な点の集合密度で濃度を表現するので、細かい柄や画像の再現が可能です。
しかし、活版印刷などの凸版印刷方式で印刷した場合、濃度の濃い部分の白い部分(ドットがない部分)の隙間にインキが詰まってしまい、100%ベタに近くなり、階調が表現できなかったり、逆に濃度の薄い部分はドットがまばらに配列されるので、まばらな上にマージナルゾーンが発生してドットが大きく印刷され、より一層まばら感が感じられ、ざらついた印象になってしまいます。

このことから、当社では、AMスクリーンをお勧めしております。

次回は、もう少し深い部分をご紹介できたらと考えています。