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(株)和光
足跡3

前回は、叩き台のデボス加工のデータ作成までをしました。今回は、製版をしてみたいと思います。

データからネガフィルムを作成します。(写真1)

(写真1) | 足跡3 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真1)

青い部分は下から突き上げる版なので、ネガフィルムは逆向きになります。次に、このネガフィルムを使って製版をします。

赤い部分は上から押すので、1.2mmの真鍮版、青い突き上げる部分の版は、硬い樹脂版で製版します。両方真鍮版で製版したほうが圧力がかかるんじゃないのと思われるでしょうが、真鍮は以前お話したと思いますが、段階腐食で製版されるため、凸面からベースの真鍮までの間が階段状のショルダーになります。(写真2)

(写真2) | 足跡3 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真2)

真鍮エッチングは、ほぼ手作業で製版しますので、このショルダーが毎回同じになるとは限らず、ギザビザになっているので、上下で挟み込んだ場合、ピッタリ合わないのです。また、上版、下版同じ圧力になると、かえって紙が負けてしまい、破れる可能性が高くなります。また、エンボスやデボスの側面に階段状の型がつくことにもつながります。
どちらかの版が負けてくれると、いい塩梅に紙に圧力がかかって綺麗なエンボスやデボスが表現できます。
そのため、当社では、エンボスやデボスの挟み込み版を製版する際は、真鍮版と樹脂版のセットをおすすめしています。エンボスやデボス加工は、見せる側が重要になりますので、上から押す版を真鍮、下からサポートする版を樹脂で設定します。また、ガッチガチに型をつけたいとご要望の場合は、上版、下版を機械彫刻して製版する場合もありますが、試作をして修正を加える作業が必要になるので、費用も時間も必要になります。私は、25年程営業をしておりますが、今までその製版をしたのは、1度だけです。正直、大変でした。

それでは、製版が終わったので、版をご覧ください。(写真3)

(写真3) | 足跡3 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真3)

真鍮版と硬い樹脂版の出来上がりです。重ねてみましょう。

(写真4) | 足跡3 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真4)

撮影時に少し浮いてしまいましたが、上版と下版の隙間を0.25mmに設定しましたので、デコとボコが重なります(写真4)。この上下の圧力で紙がデボス加工になります。
次回はいよいよでボス加工です。

(写真1) | 足跡3 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真1)

(写真2) | 足跡3 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真2)

(写真3) | 足跡3 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真3)

(写真4) | 足跡3 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真4)