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平和紙業株式会社
進化する紙②(抗菌・抗ウイルス紙)

新型コロナウイルス(COVIT19)感染症の、非常事態宣言が解除され、日常を取り戻しはしたものの、菌やウイルスそのものは消失したわけでもなく、私たちは菌やウイルスと共存する日々を送っています。
パンデミックの再来とならないよう、日頃から手洗い、うがいの励行や、十分な睡眠をとるなど、衛生面や免疫面に気を付ける必要があります。

紙媒体は主に、人の手から手へと渡るケースも多く、感染への対応が必要な場合には、抗菌や抗ウイルス加工された紙を使うのも一つの手段ではないでしょうか。
紙を抗菌化、抗ウイルス化するためには、銀亜、鉛、銅などの抗菌活性をもつ金属(イオン)を塗布したり、紙自体に担持させたりすることで、抗菌性・抗ウイルス性を持った紙、いわゆる抗菌紙・抗ウイルス紙となります。

抗菌剤は、菌やウイルスそのものを死滅させる、いわゆる殺菌とか除菌と言ったものでは無く、あくまで菌やウイルスの増殖を抑制することができるものです。また、こうした紙が、空気中の菌まで増殖を防ぐ効果は無く、あくまで紙面に付着した菌やウイルスに対しての抗菌性・抗ウイルス性であることは、理解しなければなりません。
部屋中に抗菌紙や抗ウイルス紙を貼ったからと言って、室内の菌やウイルスが死滅したり、増殖が低減したりするものではないと言うことです。

とは言え、こうした抗菌紙・抗ウイルス紙を使用することは、日々の暮らしの中や、特定の環境の中で、少なくとも紙を媒介とした菌やウイルスの伝播を抑制することには有効です。

私共の取り扱う用紙の中にも、抗菌性や抗ウイルス性を持たせたものがあります。
一つは、「HSK抗菌ケントCoC」で、無機系抗菌剤を紙に塗布することで、大腸菌や黄色ブドウ球菌などに優れた抗菌効果を発揮するものです(図1)。
通常のケント紙同様、印刷・加工も可能※2で、名刺、カード、タグ等、日常に使用する場面に安心感を与えることができます。
抗菌効果はJIS L 1902(繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果)を基にしており、大腸菌、黄色ブドウ球菌など、強い抗菌効果が認められています※1。

(図1) | 進化する紙②(抗菌・抗ウイルス紙) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(図1)「HSK抗菌ケントCoC」の抗菌性能のデータです。
大腸菌、黄色ブドウ球菌に対して、強い抗菌性を確認することができます。

「HSK抗菌ケントCoC」についてはこちら
https://www.heiwapaper.co.jp/products/details/1901190.html

もう一つは、「npi抗ウイルス紙」(写真1)で、セルロースナノファイバーを製造する過程で、中間体であるセルロースに化学処理を施し、機能性金属イオンを担持させ、抗ウイルス性能、抗菌・消臭性能を持たせた変性セルロースを配合して作られています。
通常の印刷・加工も可能で、様々な用途でご利用いただけます※2。
抗ウイルス性能としては、インフルエンザウイルスや、ネコカリシウイルスなど、十分な効果が認められる抗ウイルス性があります(図2、図2-1)。
抗ウイルス性については、一般社団法人 抗菌製品技術協議会が制定するSIAA抗ウイルス加工の認証を取得しています。
また、大腸菌、黄色ブドウ球菌など優れた抗菌効果があり、同時に消臭性能も認められています※1(図3、図3-1)。

進化する紙②(抗菌・抗ウイルス紙) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真1)「npi抗ウイルス紙」は、日本製紙が開発した「変性セルロース」に金属イオンを担持させた印刷用紙です。
金属イオンが持つ高い抗ウイルス性能、抗菌・消臭効果を発現します。

(図2) | 進化する紙②(抗菌・抗ウイルス紙) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(図2)「npi抗ウイルス紙」のインフルエンザウイルス、ネコカリシウイルスに対して、抗ウイルス性が確認できます。

(図2-1) | 進化する紙②(抗菌・抗ウイルス紙) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(図2-1)「npi抗ウイルス紙」において、白紙と、印刷面積50%とで比較しています。
どちらも、ウイルスの低減が確認できます。

(図3) | 進化する紙②(抗菌・抗ウイルス紙) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(図3)「npi抗ウイルス紙」の抗菌効果、消臭効果ともに数値上、効果があることが認められます。

(図3-1) | 進化する紙②(抗菌・抗ウイルス紙) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(図3-1)「npi抗ウイルス紙」の抗菌・消臭共に、大きく低減することが確認できます。

こうした抗菌・抗ウイルス性を持たせた紙の用途として、一般の印刷物の他にも、例えば飲食店などのランチョンマットやメニュー、医療用カルテなどにも、活用できそうです。

抗菌や、抗ウイルスなどは、目に見える機能ではありません。
一般のケント紙等に比べ、コスト高になりますが、安心・安全を如何に担保するかといった場面などでの利用が望まれるところです。
前回の非フッ素系耐油紙もそうですが、コストを優先するのか、安全性を優先するのかは、使う方々の判断次第となります。

「npi抗ウイルス紙」についてはこちら
https://www.heiwapaper.co.jp/products/details/140122.html

そして最後が、「エアクリーンペーパー」で、この紙は、無機系抗菌剤ではなく、二酸化チタンを独自の方法で繊維間に定着させ、この二酸化チタンの光触媒作用を利用して、用紙周辺の空気中の有機化合物や、紙表面に付着した菌やウイルスの増殖を抑制するものす。
光によって、光触媒効果が発揮されるため、光がある場所であれば、どこでもその効果を発揮することになります。
この光触媒作用により、抗菌、抗ウイルス、消臭といった機能が確認されています。
この「エアクリーンペーパー」については、以前、当コラムでも取り上げたこともありますので、詳細は以下から。

https://letterpresslabo.com/2020/02/24/heiwapaper-vol17/

たかが紙ではありますが、かつて経験した、菌やウイルスとの闘いに、少しでも役に立つのであれば、こうした機能を持たせた紙を使うことも、その一助になるのではないでしょうか。

※1:外部機関での測定結果であり、保障値ではありません。
※2:すべての印刷・加工方法で抗菌・抗ウイルス性能が維持されるわけではありません。
※「HSK抗菌ケントCoC」 「npi抗ウイルス紙」共に、医薬品や医療機器などの医療を目的としたものではありません。

(図1) | 進化する紙②(抗菌・抗ウイルス紙) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(図1)「HSK抗菌ケントCoC」の抗菌性能のデータです。
大腸菌、黄色ブドウ球菌に対して、強い抗菌性を確認することができます。

進化する紙②(抗菌・抗ウイルス紙) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真1)「npi抗ウイルス紙」は、日本製紙が開発した「変性セルロース」に金属イオンを担持させた印刷用紙です。
金属イオンが持つ高い抗ウイルス性能、抗菌・消臭効果を発現します。

(図2) | 進化する紙②(抗菌・抗ウイルス紙) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(図2)「npi抗ウイルス紙」のインフルエンザウイルス、ネコカリシウイルスに対して、抗ウイルス性が確認できます。

(図2-1) | 進化する紙②(抗菌・抗ウイルス紙) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(図2-1)「npi抗ウイルス紙」において、白紙と、印刷面積50%とで比較しています。
どちらも、ウイルスの低減が確認できます。

(図3) | 進化する紙②(抗菌・抗ウイルス紙) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(図3)「npi抗ウイルス紙」の抗菌効果、消臭効果ともに数値上、効果があることが認められます。

(図3-1) | 進化する紙②(抗菌・抗ウイルス紙) - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(図3-1)「npi抗ウイルス紙」の抗菌・消臭共に、大きく低減することが確認できます。