web-magazine
web-magazine

平和紙業株式会社
閑話休題

先般、新商品を発売しました。商品名は、「トポラスF(Toporus―F)」と言います。
トポラスは、Topology(トポロジー)と、Porous(ポーラス)を合わせた造語です。

トポロジー(Topology)は、位相幾何学という概念的な物事の捉え方のことで、空間における図形や物体の連続的な変形に注目した、幾何学の一分野です。
これでは、まったく分からないので、少しだけ分かり易くすると、例えば、図形を考えた時、私たちは、丸「〇」、四角「□」、三角「△」は、それぞれ違う形として認識しています。しかし、これらの図形を、例えば輪ゴムを使って作ると、輪ゴムの四方を引き延ばせば、「□」になり、三方向に伸ばせば「△」になります。もちろん元の輪ゴムは「〇」ですので、これらの図形は、本質的には同じものだと言うことになります。
輪ゴムそのものの形「〇」をどのように引っ張るかで、様々な形ができますが、それらは全て、同じものとして捉えることができます。
また、空間図形も同様です。ボールのような球体も、6方向から抑えると、サイコロのような形になり、中央部分を絞めれば、ひょうたんのような形になり、全体を押さえつければ、平たい形にすることもできます。球体を切ったり、貼ったりせずに変形させれば、これも様々な形が出来ることになりますが、本質的には同じものと言うことになります。
こうした、これまでの〇は〇で、□や△ではないと言った、物体や図形の捉え方とは違い、物体や図形の連続的な変形といった概念に注目することで、化学構造やDNA配列、宇宙論などにも応用されている学問の一つです。

また、ポーラス(Porous)は、多孔質のことで、物体に細かな孔が無数に空いていることを指します。
例えばスポンジのように、無数の空隙があるイメージです。
紙の場合は、木材繊維が絡み合って、紙と言うシートを作っていますが、この繊維の絡み合い方が緩やかであれば、繊維間に空隙ができ、しなやかで、柔らかい紙となり、繊維間に空隙が少なければ、それだけ繊維が密着していることになり、硬く丈夫な紙になります。

「トポラスF」は、紙という素材は、四角い平面の素材ですが、トポロジー的には、様々な形に姿を変えることができることから、平面、立体を問わず、様々な用途でご利用いただきたいと言う願いと、繊維間に空隙を設けることで、やさしい質感としなやかさをもった紙であることを、表現した名前です。

この紙「トポラスF」は、嵩高で軽く、箔押しやデボス加工はもちろん、オフセット印刷やパッケージ加工にも適しています。紙の色味は白過ぎず、ニュートラルな飽きのこない白さです。紙肌はスムース過ぎず、ラフ過ぎず、適度な凹凸感が指先に穏やかな印象を与えます。

寸法は、印刷・加工会社の皆様には、めちゃめちゃ選びやすい、L判(800×1100㎜)、K判(650×950㎜)のそれぞれT目(タテ目)、Y(ヨコ目)を常備。
厚みは、260g/㎡、310g/㎡、370g/㎡の3米坪。
出版物の表紙から、パッケージまで、幅広く対応できます。

特にパッケージを作る場合に、気になるのが目なり(繊維の方向性)です。パッケージの展開を面付する場合に、この目なりを考えて面付するのですが、なかなかパッケージ用紙で、T目、Y目のある紙が少ないのが実情です。
時として無駄に紙を使う場面もあり、その場合、コストに直接反映することとなります。
また、紙のサイズも同様で、如何に無駄なく、紙を使うかが、コスト削減の大きな要素となります。

先程、印刷・加工会社の皆様には、めちゃめちゃ選びやすいと書いたのは、この点です。
特にK判と呼ばれる寸法は、トポラスFの場合、650×950㎜です。時折、同じようにK判と書かれていても、640×940㎜と、縦横それぞれ10㎜短いものがありますが、この10㎜が、パッケージの面付には大きな武器になります。
たかが10㎜、されど10㎜です。

ラフな肌で、パッケージ用紙にもよく使われている気〇紙などと比べれば、作業現場でより選びやすく、使い易い商品規格となっています。
紙を選ぶ際にも、紙の目なりや、寸法を気にすることなく、紙選びができ、印刷・加工会社様に迷惑がかからないどころか、無駄な紙を使わなくてもいいかもしれません。

世の中、様々なものの値段が上がり、当然ながら紙もその一つとなっています。
そのため、作る側の立場より、使う側の立場に立って、より使い易い紙をご提供していく時代になってきたのでしょう。
一度手に取って、その質感、色合いなどご確認いただければと思います。

トポラスFの商品詳細はこちら
https://www.heiwapaper.co.jp/products/details/2300230.html

写真1 | 閑話休題 - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真1)「トポラスF」は、嵩高でありながらしっかりした硬さもあり、箔押しや、デボスなどの加工にも適しています(箔押しは艶消しシルバー箔、ロゴ部分は空押し(デボス))

写真2 | 閑話休題 - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真2)平面から立体まで、用途は幅広くお使いいただけます。

写真3 | 閑話休題 - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真3)立体の局面もスムーズな仕上がり。パッケージ用途にもご利用いただけます。

写真4 | 閑話休題 - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真4)「トポラスF」のサンプル帳です。印刷、抜き加工サンプルを同梱しています。興味のある方は、サンプル帳のご依頼をお願いします。

写真1 | 閑話休題 - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真1)「トポラスF」は、嵩高でありながらしっかりした硬さもあり、箔押しや、デボスなどの加工にも適しています(箔押しは艶消しシルバー箔、ロゴ部分は空押し(デボス))

写真2 | 閑話休題 - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真2)平面から立体まで、用途は幅広くお使いいただけます。

写真3 | 閑話休題 - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真3)立体の局面もスムーズな仕上がり。パッケージ用途にもご利用いただけます。

写真4 | 閑話休題 - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真4)「トポラスF」のサンプル帳です。印刷、抜き加工サンプルを同梱しています。興味のある方は、サンプル帳のご依頼をお願いします。