三星インキ株式会社
色の呼称について

今回は印刷業界を中心としたところでのみ使われる色の呼称について。
子供たちに代表的な色の名前を言ってみてとお願いすると、多くの子供たちは『黄色・赤色・青色』を挙げると思います。
ですが、印刷業界を含む色に関連する業界に携わる方々は『黄・紅(マゼンタ)・藍(シアン)』を挙げると思います。

※)あくまでもディスプレイ上での再現のため、実際の色とは異なりますが、雰囲気だけ感じて下さい。
この違いは単に呼称の違いだけなのでしょうか?
いえ、それは違います。特に赤色とマゼンタ、青色とシアンでは色調的にイメージした色とは異なります。
では、紅(マゼンタ)・藍(シアン)の代わりに赤色と青色を使って印刷するとどうなのでしょうか?
実は印刷物として良いものを得ることは難しくなります。
つまり赤色・青色は紅(マゼンタ)・藍(シアン)よりも演色性に劣る傾向があるのです。
でも紅(マゼンタ)・藍(シアン)は一般的に想像する赤色・青色よりも中途半端な色に見えませんか?
このような中途半端な色を使用した方が、なぜ高い演色性が得られるのでしょうか?
今までもお話しさせて頂いている通り、色は特定の波長の光を反射する(残りの波長部を吸収する)ことで色が発現されるのですが、青い光を吸収して発現する色が黄色になります。そして緑の光を吸収して発現する色がマゼンタ、赤い光を吸収して発現する色がシアンなのです。
このように光の3原色である Red・Green・Blue の相反する色がCyan・Magenta・Yellowと色の3原色となり、これらの色を有するインキを混合することで広い演色性を得ることができるのです。

※)光と色では同位置の色が相対している
つまり、紅(マゼンタ)・藍(シアン)という色インキが存在することで、広い演色性を有する印刷物を得ることができるのです。
このことから、我々も絵の具を使って絵を描くときは、赤・青を使うよりも紅(マゼンタ)・藍(シアン)といった絵の具を使えば、より鮮やかな色彩を有する絵を完成される事ができると思います。
その他にも印刷業界で緑色を得るインキの色を、『緑』や『草』と表現することがあります。
基本的に『緑』や『グリーン』は光の3原色のような鮮明な色調を有する緑色を再現するインキを指す場合に使われることが多く、やや濁った色調の緑色の場合は『草』という呼称が使われることが多いです。
しかし、基本的に『緑色』という品名表記は少なく、『草』あるいは『グリーン』という品名表記をしているインキメーカーが多数を占めていると感じます。
これもかなり独特の文化ですね(笑)。

