アミリョウコ
オアハカの紹介
Hola desde Oaxaca!(オアハカよりこんにちは!)
こんにちは、アミリョウコです。2回目の寄稿の今回は、メヒコはオアハカよりお届けします。日本はお盆休みの真っただ中で、まだまだ暑い日が続いている頃だと思いますが、オアハカはすっかり涼しい季節になりました。
「メヒコ」とか「オアハカ」と聞いてもピンとこない方が多いと思うので、今回は私が暮らすオアハカという街のことを少し紹介したいと思います。
Donde está Oaxaca?(オアハカってどこ?)
メヒコは、正式名称「メヒコ合衆国」と言います。南米にあると思われがちですが、アメリカ合衆国のすぐ下にある国なので、実は北米地域に位置しているのです。私も来るまでは中南米にあるというイメージを持っていたので、ペルーとかブラジルとかは近いのかなと思っていたのですが、来てみると結構遠かったので意外でした。また、メヒコは日本の約5倍の国土を誇る大きな国で、地域ごとに地形の変化に富んでおり、各地を訪れていると同じ国の中とは思えないほどに気候も文化も異なるのが特徴的です。
首都はメヒコシティで、成田からの直行便も飛んでいます。その首都メヒコシティよりさらに飛行機で1時間(あるいはバスで6時間半)南に行ったところにオアハカはあります。
メヒコがエリアによって気候や文化が違うのは先に述べたとおりですが、オアハカ州は国内でも特に先住民族が多いことで知られています。スペイン人に侵略されるずっとずっと前からそこに文明があり、人々は暮らしを営んでいたのですね。メヒコでは主にスペイン語が話されていますが、オアハカでは先住民族が多いということでスペイン語以外の言語を話している人たちを見かけることもしばしばです。高齢の方は先住民族の言葉しか話せないという方もいるようですが、若い世代になればなるほど民族の言葉とスペイン語の両方を操る、いわゆるバイリンガルの人が多いです。
オアハカは豊かな文化が根付いている半面あまり産業はありません。したがって主に観光業と手工業で街は成り立っています。オアハカ市は標高1,500メートルくらいにあるので、年間を通して温暖な気候で過ごしやすいです。日本では今現在8月は熱さ真っただ中ですが、オアハカでは熱さのピークは4月から5月くらいなので、8月はすでに気温が落ち着いて過ごしやすいです。標高の関係で、朝晩と昼間の寒暖差こそありますが季節感における気候の変化はあまりありません。このような気候がアメリカやカナダなどのリタイアした世代の人たちに人気で、本国が寒い時期(1月~3月)はオアハカに過ごしに来たりする様子も目にします。彼らは俗に”Snow bird”(渡り鳥)などと呼ばれています。60代や70代、あるいはそれ以上の世代の方々が、文化も言葉も違う国にやって来てのんびりと過ごしている様子を見るのはとてもほほえましくもあり、スペイン語を習得するために学校に通っている方も多いので、いくつになっても学びの姿勢を忘れない姿は本当に感心してしまいます。
Las artesanias de Oaxaca.(オアハカの民芸品)
オアハカの市街に小さな街が点在しています。それぞれの村が「一村一品」ではないけれども、独自の民芸品を作る文化がある点が非常に興味深いです。
アレブリヘと呼ばれる木彫りの人形を作る村や、テヒードと呼ばれる羊毛の織物が盛んにおこなわれる村があったり、それぞれの地域で独自の民族衣装もありその素材や刺繍なども異なります。男性はいわゆる洋服を着ている人が多いですが、女性は今でも日常的に民族衣装を着て生活している人が多く、市場などを訪れるとたくさんの民族衣装を見かけるので思わずうっとりとしてしまいます。
Los grabados en Oaxaca.(オアハカの版画事情)
オアハカはアートが盛んな街としても濃く長いで知られているのですが、市内を歩いていると、いろんなところでアートのギャラリー(大きいものもあれば、小さなところもある)を目にします。特に、版画を展示販売しているところがたくさんあることに気が付きます。
日本の彫刻刀を持ったメヒカーノ(メヒコ人)たちが木版画をする様子を初めて見たときは衝撃的でした。小学生や中学生の時に図工の時間にしたあの版画に、まさか海を越えて遠く離れた異国で再会するとは思ってもいなかったのです。
木、MDF、リノリウム、あるいは金属などに彫られた版は、オアハカではアーティスト自らが刷る場合が多いので、ギャラリー兼スタジオでは大きなプレス機を見かけます。
”Pasaporte Grafico”(パサポルテ・グラフィコ)という市内にあるスタジオの共同企画のイベントもあります。パスポートのようになった冊子にスタジオを訪れてスタンプを押してもらうという、スタンプラリーをしながらアートウォークができるという楽しい企画です。月に1回のペースでガイドの解説付きでみんなでわいわいと回れる日もあります。オアハカに来られた際におすすめのアクティビティです。
それにしても、こんなにインクの香りのする(くらいにたくさんの人が版画に携わっている)街も珍しいと思います。
おわりに
今回は「オアハカ」の街について重点的に書いてみました。本当に穏やかでのんびりしたところで一度は実際に足を運んでいただきたいところです。その魅力が少しでも伝わるとよいのですが……。
次回は、いよいよそんなアートがたくさんでカラフルなかわいい街オアハカにおける「活版印刷」事情について紹介していきたいと思います。どうぞお楽しみにしていてくださいね!
Hasta pronto!(それではまた!)