株式会社 オオウエ
万年筆で書ける和紙
どうも、株式会社オオウエの大上です。
和紙の使われ方について、色々とお話してきました。
和紙には、もともと備わった通気性や強度などがありますが、逆に言うと、インクのにじみやすさなどが問題とされてきました。
多孔質な素材なので、インクが穴から穴へと、毛細管現象でにじんでいってしまうのです。
かつては、それを克服するためにドーサを引きました。ドーサは、土砂と書きますが、焼明礬と膠とを混合した液で、それを塗布することでにじみ止めとしました。
近年機械抄きでは、ドーサはあまり使いませんが、サイズ剤と呼ばれるにじみ止めを入れています。目を詰めてあげるようなものですね。
万年筆好きの方がとても増えてきていますが、万年筆のインクはとてもにじみやすく、和紙にはあまり向かないとされてきました。
そんな中でも、万年筆のインクを何度も試しては試作を繰り返して、にじみを抑えた和紙を作ることに、越前のメーカーさんは成功しました。
また、それと同時に、ノートでの使途も鑑みて、和紙固有の特性である、表裏差も、ぎりぎりまでなくしました。
今回、オオウエでは、越前和紙のメーカーさんに依頼して、万年筆で両面を書ける和紙を作ってもらいました。厚みも、便箋に適した60㎏、封筒に適した90㎏、厚いものにも使える135㎏と三つを備えています。
そうしてできた万年筆で書ける和紙。
和紙独特の竹であんだ簀を使った優しい表面。触り心地もいいです。
今回、メモ帳として仕立てました。
まずは色々な方に書いてもらって、和紙に親しんでもらう。
こういった部分から、次の発想が生まれてくるのでは、と思っています。