三星インキ株式会社
印刷方式と印刷物について 第4回
印刷物と印刷方式についてご紹介しておりますが、今月も引き続き印刷方式を確認していきたいと思います。
では、次の拡大写真を見て下さい。(写真1)
網点が存在していて、網点の大きさが異なる。
なるほど。これは平版印刷でしょう。
と思われますが、実は凸版印刷(フレキソ印刷)なのです。
えっ?何が違うの?と思われるでしょう。
では、次の拡大写真を見て下さい。(写真2)
これは先ほどと同じ印刷物をさらに拡大して見ました。
何か気づかれませんか?
網点がドーナツ状になっていますよね。
これこそ凸版印刷の大きな特長であります。
凸版印刷は凸部を原反に押し当てて原反に転写する方式で、その際にかかる圧によってインキが横に押し出され、拡大写真のようにドーナツ状になります。この押し出されてはみ出た部分が真ん中よりも高濃度となった状態を『マージナル』と呼び、凸版印刷を見極める大きな特長であります。
では、同じ凸版印刷である活版印刷はどうなっているでしょうか?
次に上げる写真は50倍と100倍の拡大写真です。(写真3、4)
やはり、凸版印刷特有のマージナルは発生しており、更にフレキソ印刷よりも原反にインキが押し込まれている感じがします。やはり活版印刷の方が版材は硬いのでしょうね。
更に活版印刷では、この版材の硬さを利用して、インキを使わなくても印刷する事ができるそうです。(写真5)
どうです。この印刷物は白インキを使って文字を再現しているのではなく、印圧だけで文字が再現されています(型押しされた状態)。
これは凸版印刷のマイナス点を逆手に取った方法で、このようにインキがなくても印刷できるのは活版印刷だけであります。
その他にも凸版印刷で刷られた印刷物の拡大写真をつけておきます。(写真6)特徴を確認しておいて下さい。