(株)和光
活(い)きた版 「アミ点について」
少し前の印刷テストの版を作成した時に、アミ点を製版しましたので、今回は、アミ点についてご説明させていただきます。
印刷とは、突き詰めて言えば、画線部を印刷し(100%)、非画線部を印刷しない(0%)この2つの要素で表現すると言えます。印刷する、しないの2つの要素で、色の濃淡はどうやって表現するのでしょうか?
イラストレーター等のソフトでは、色の濃淡は濃い薄いで画面上表示されていますが、印刷上では、アミ点(網点)というものに置き換えて色の濃淡を表現します。
アミ点とは、任意な範囲内の必要濃度分だけ印刷されるようにドットパターンによって製版し、インキを転写させようとするものです。
この様なドットパターンで製版されます(写真1)。図のアミ点は拡大していますが、実際のアミ点は非常に小さな点ですので、ルーペ等で見なければ分かりにくいです。それでは、いろいろな階調はどのようなものでしょうか?(写真2)
濃い部分は大きい点、薄い部分は小さい点といったようにアミ点を変化させて、濃淡が表現できるようになっています。
仮に10%であれば、任意の範囲の10%分だけインキを転写させ、残りの90%は転写されない部分をつくって、視覚的に10%の濃度を見せているのです。
考えた先人はすごいですね。20数年前に入社して知った時は目からウロコが落ちました。
もう一つ、アミ点を構成する大きい要素が、スクリーン線数です。スクリーン線数とは、先ほどの点の細かさを表します。dpl(ドットパーインチ)と表記され、1インチ(25.4mm)に点がいくつ入るかという物です。
現実的ではありませんが、図の場合は、1インチ(25.4mm)に10個アミ点が配列されていますので、10線となります。(写真3)
線数の数値が大きくなれば、1インチ内に配列されるアミ点の数は多くなりますのでアミ点1個の大きさは小さくなります(写真4)。線数の値とアミ点の大きさは逆になりますので、ご注意下さい。一般的なオフセット印刷は、175線が使用されていますので、かなり小さいことが分かっていただけると思います。(写真5)
線数の値が大きくなれば、それに伴いアミ点の大きさは小さくなりますので、細かい部分の表現が可能になりますが、インキを転写させない部分も同じく小さくなるので、活版印刷等の平面でプレスする印刷方式では、圧力が必要になりますし、インキの硬さや圧力の度合いのによって転写させない部分にもインキが転写され、濃度が狙った%より濃くなったり、100%に見えたりすることが発生するので、スクリーン線数は低く設定しなければなりません。80線〜133線をチョイスされる傾向にあります。
先ほど、スクリーン線数と書きましたが、スクリーンとは何でしょうか?
次号に続きます。