web-magazine
web-magazine

(株)和光
8.5mmの壁その3

8.5mmの壁その3 - (株)和光 | 活版印刷研究所

前回は、Sizzix Sidekickでの箔し押しの確認作業で終わりました。心配性な私ならではの寄り道でした。しかし、私には必要な作業で、これで安心して次のステップに進めます。

次に、前回温度測定までして箔押しをしていない33x21の箔押しに挑戦です。小さい分は意外と簡単に箔押しができたので、勢いに乗ってクリアしたいところです。温度的には何とかなる温度だったので、ある意味確認作業です。押してみました。

(写真1) | 8.5mmの壁その3 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真1)

あれ、箔が転写されませんでした(写真1)。少々呆然としてしまいました。全く転写されていないわけではないので、対処法を考えます。圧力を上げてみましょう。天板に紙を敷いて、圧力を上げていき、最大圧力(ローラー回す時に手応えがありすぎる位)にしてみました。どのような結果になるでしょうか?少し焦り気味です。

(写真2) | 8.5mmの壁その3 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真2)

いいところまでいったのですが、中央付近の箔転写がうまくいきません(写真2)。それ以外は、大変満足いく仕上がりなのに、非常に残念です。原因を考察します。
他の部分の転写がうまくいっているので、温度は問題なさそうです。ちょうど箔転写がうまくいっていない部分の下は、熱源用の溝があるのです。厳密に言えば、その部分だけ圧力が逃げる可能性はありますが、それは、プラットフォーム作成時に予想されていたので、1mmのアルミ板を使って熱源にしました。
う〜んと考えながら、アルミ板を持ち上げてみると、なんと、中央部分がプラットフォーム側に少し湾曲しています。圧力を上げて色々やっているうちに、圧力に負けて湾曲したものと思われます。1mmの厚みでは、硬度に問題があるようです。
確かに、1mmアルミの板を手で持って曲げると、意外と曲げることができます。もう少し厚みがあれば、状況は違うのですが、8.5mmの壁が立ちはだかるので、薄くすることはできても、厚くすることはできません。熱伝導がよい銅板や真鍮板に変更考えたのですが、どちらも、硬度がものすごく高いわけでもなく、手で曲げる事ができるので、結果は同じと思われます。
悩みながら、本業の業務をこなします。数時間後、ある事に気づきました。「引くことはできても、足すことはできない…」引くことはできる!そうです、アルミ板をなくしたら良いのではないでしょうか。もともと、熱源イコール何か金属の物体を発熱させて、それに版を密着させて版の熱を上げていく。この概念に囚われていました。熱源に直に版を当て、加熱させればいいんじゃないでしょうか。アルミの厚みが省略され、アルミを加熱する必要がないので、版の温度も上がりそうです。なんと、一石二鳥です。1mm分余裕ができるので、箔押しする対象物の厚みの制限も緩和されますし、箔押し面積の拡大も狙えそうです。
早速実験してみます。

(写真3) | 8.5mmの壁その3 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真3)

このようにアルミを取っ払って版をセットしてみました(写真3)。箔押しをしてみましょう。

(写真4) | 8.5mmの壁その3 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真4)

やりました!逆転の発想の大勝利です(写真4)。焦って温度を測るのを忘れていましたが、確実に温度は上がっていると思われます。
この方式をベースに、また箔押し面積の割り出しをします。結構面倒くさい作業を再開しなくてはなりませんが、仕方ありません。一息ついて、作業再開です。

8.5mmの壁その3 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真1) | 8.5mmの壁その3 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真1)

(写真2) | 8.5mmの壁その3 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真2)

(写真3) | 8.5mmの壁その3 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真3)

(写真4) | 8.5mmの壁その3 - (株)和光 | 活版印刷研究所

(写真4)