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生田信一(ファーインク)
「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました

今回のコラムは、市谷の杜 本と活字館で行われている企画展「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-(前期展示)」の様子をお伝えします(※花絮(かじょ)は、面白い小ニュース、こぼれ話の意味)。展示は前期(2023年3月4日〜2023年6月25日)/後期(2023年6月28日〜2023年10月29日)の2回に分けて行われ、このコラムでは前期の展示の様子をお伝えします。

2022年12月09日~2023年1月31日、ギンザ・グラフィック・ギャラリーにおいて第392回企画展「宇野亞喜良 万華鏡」が催されました。この企画展では、宇野亞喜良さんのこれまでの足跡を辿るとともに、イラストレーションの原画を元にさまざまな特殊印刷の加工が行われ、披露されました。今回行われている市谷の杜 本と活字館の展示では、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで公開された特殊印刷のポスター作品がどのような工程を経て作られているのか、その詳細を細かく伝えているところが大きな見所になっています。

展示では、特殊印刷の設計から始まり、作成された印刷版(金型)や印刷材料、校正刷りなどの資料を数多く展示しています。来場者はこうした資料を間近に見ることができます。

では、会場にご案内します。

2階の入口で活版印刷のミニ体験ができました

市谷印刷の杜 本と活字館の施設は、大日本印刷株式会社の活版印刷の工場の跡に復元された文化施設です。活版印刷全盛の時代の機材や印刷材料が集められ、当時の印刷文化を伝える貴重な資料館になっています(写真1、2)。以前の本コラムで4回にわたる連載記事で紹介しました。 →「市谷の杜 本と活字館に行ってきました(第1回)」

(写真1) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真1)

(写真2) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真2)
(写真1、2)市谷の杜 本と活字館の建物、正面入口。

1階部分は、かつての印刷工場の風景を一部再現した「印刷所」です。文字の原図から活字の「母型」を彫り、鋳造し、活字を拾って版を組み、印刷・製本するまでの一連の設備や作業を見ることができます。

2階に登ると、最新の印刷機器が展示され、印刷・製本材料や書籍、グッズなどを販売する売店もあります。また、さまざまな参加型ワークショップやイベントも催されています。私が伺ったときには、宇野亞喜良さんの猫のイラストレーションを、手キンと呼ばれる手動の活版印刷機でしおりを刷る体験コーナーがありました(写真3、4)。

(写真3) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真3)しおり印刷体験ができます。

(写真4) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真4)手動で活版印刷の体験ができます。

しおりの用紙は、宇野さんのポスター作品を断裁したものだそうです(写真5)。この用紙の裏面に宇野さんの猫のイラストレーションを活版印刷機機でプレスします。出来上がったものは、おみやげとして持ち帰ることができました(写真6)。

(写真5) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真5)しおりの用紙は宇野さんのポスターを裁断して作られました。

(写真6) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真6)刷り上がった猫のイラストレーション。刷色は赤と青が選べました。

(写真1) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真1)
(写真1、2)市谷の杜 本と活字館の建物、正面入口。

(写真2) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真2)

(写真3) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真3)しおり印刷体験ができます。

(写真4) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真4)手動で活版印刷の体験ができます。

(写真5) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真5)しおりの用紙は宇野さんのポスターを裁断して作られました。

(写真6) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真6)刷り上がった猫のイラストレーション。刷色は赤と青が選べました。

宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-(前期展示)

では、2階の奥スペースに入って、企画展の展示を覗いてみましょう(写真7)。

(写真7) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真7)企画展「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-(前期展示)」入口。

入口では、今回の展示のA4パンフレットと展示内容を解説した12ページの冊子を受け取ることができました。A4サイズのチラシ(写真8)は、同館2階にあるリソグラフの印刷機で刷られているそうです。リソグラフ特有の蛍光インキが使われているので、発色がとても鮮やかです。

展示内容を解説した冊子(写真9)は、12ページで構成され、前期の10点の展示作品のメーキングストーリーが丁寧に解説されています。この冊子は筆者自身にとっても、とても役に立ちました。というのは、展示された作品は前期だけで10点に及び、冊子にはこれらの印刷技法や用紙、インキなどの印刷材料の名称が整理されて掲載されているので、後でじっくり振り返ることもできました。

また、今回の展示内容を紹介したYouTubeムービーが公開されています。こちらも参考にしていただくと理解が深まると思います。 →「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮(前期)」トークイベント 津田淳子×大島依提亜

また、宇野さんと津田淳子さんとの対談が楽しめます。 →「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮」トーク 宇野亞喜良×津田淳子

(写真8) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真8)

(写真9) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真9)
(写真8、9)企画展のA4パンフレットと展示内容を解説した冊子。

では、会場の中に入っていきます。

前期の展示では、主として、箔押しやインラインフォイラーなど、印刷表面を金銀のメタリックカラーで装飾した作品を数多く見ることができました。しかし、箔押しと一口に言っても、さまざまな技法があるとのこと。今回の展示では、以下の4つの技法を見ることができます。

1. 熱と圧で行う一般的な「箔押し」
2. UVオフセット印刷機で行う「コールドフォイル」
3. シルクスクリーン印刷機で行う「スクリーンフォイラー」
4. ヨーロッパで伝統的に行われている箔工芸技術「ギルディング」

まずは、入口で最初に出会う作品、「龍の落とし子」から見ていきます。印刷技法は、2.の「コールドフォイル」で作られた作品です。

作品「龍の落とし子」─箔の上から色を刷る

まず、出来上がりの「龍の落とし子」のポスターが示されます(写真10)。これに続いて、作品の作り方が順に示されます(写真11、12)。

(写真10) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真10)作品「龍の落とし子」の完成見本。

(写真11) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真11)

(写真12) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真12)
(写真11、12)作り方を解説したパネル。

ここで、入口でいただいた解説の冊子が役に立ちます。さっそく参照して、一部を引用して紹介しましょう。

技法 インラインフォイラーを使用したコールドフィル印刷
用紙 ハイラッキー L/Y14kg(半裁印刷)
制作 中央印刷株式会社
制作の流れ
①インラインフォイラーで箔を転写
②同じ機械でそのまま箔の上にUVオフセット印刷(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)

つまり、作品「龍の落とし子」はインラインフォイラーを使用したコールドフィル印刷を使って印刷されていること。用紙はハイラッキー L/Y14kgを使用したことがわかります。工程は、まずシルバーの箔を下地に刷り、その上からCMYKの印刷を重ねます。下地がシルバーの部分は、CMYKのカラーが鮮やかなメタリック色になります。

展示では、このポスターが完成に至るまでのプロセスの解説や校正紙の実物を見ることができました(写真13)。

(写真13) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真13)初校戻し。朱書きの指示やコメントが書き込まれています。

展示会場では、書籍『宇野亞喜良画集 Kaleidoscope』(宇野亞喜良 著、グラフィック社、2021年)が並べられ、購入することもできました。この作品集では、インラインフォイラー+オフセット印刷の特殊印刷を多用した作品が豊富に収められています。変型A4サイズ、56ページの作品集で、今回の展示のポスター作品の数々を見ることができます。

また、この書籍は宇野さんの画集であるとともに、俳句集でもあります。どのページにも俳句が引用されているのが特徴で、俳句と絵を見比べながら鑑賞することができます。宇野さんご自身の句も披露されています(宇野さんの俳号は「左亭」です)。

インラインフォイラーの印刷機は、通常のCMYK印刷機の前と後に印刷ユニットが連結した大型の印刷機です。1回の通しで前工程(インラインフォイル印刷部分)、本体部分のCMYK印刷、後工程(クリアコートユニット、OPニス部分)が処理できます。

普段なかなか見ることができない印刷機なのですが、この作品の制作にかかわった中央印刷株式会社さんのYouTubeムービーで機械本体の映像を見ることができました。 →「インラインフォイラーシステム(UVホログラム)」

作品「後の月」─レンズフィルムと宇野作品の相乗効果

続いて、オペーク白で下地を作る技法を見ていきましょう。作品「後の月」は、下地のレンズフィルムをオペークする目的でホワイトインキを使用しています(写真14)。

(写真14) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真14)作品「後の月」の完成見本。

技法 レンズフィルム(株式会社オーテック)
   UVオフセット印刷
用紙 ボンアイボリー 46T/22.5kg
制作 アート印刷株式会社
制作の流れ
①板紙にレンズフィルムを張り込む
②UVオフセット印刷でブラック+ホワイト+PANTONE 2728C(ブルー)を印刷

工程は、板紙に特殊なフィルムを貼り込み、ホワイトでオペークして、その上にUVオフセット印刷を行っています(写真15)。ホワイト版の作り方を観察すると、三日月の形や右側の人物の目はホワイトを刷らずに、レンズグルムの輝きを残していることがわかります。そのほか、ホワイトを刷らずにブルーだけを刷ったり、ホワイトをフラデーションにしたりなど、奥行きのある絵作りを行っています。

この技法は、『デザインのひきだし』45号(フラフィック社)の表紙でも使われています。同書の表紙には宇野さんのイラストが使われています。

(写真15) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真15)右の写真が用紙にレンズフィルムを貼ったもの。左の写真が校了紙。

作品「蛇の衣」─紙の凹凸による光と影で描線を表現

作品「蛇の衣」は、エンボス加工を施したポスター作品です(写真16、17)。

技法 UVオフセット印刷+エンボス加工
用紙 グムンドコットン マックスホワイト
   1000×700 Y/210kg
制作 アート印刷株式会社(印刷)
   株式会社美箔ワタナベ(箔押し)

(写真16) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真16)

(写真17) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真17)
(写真16、17)作品「蛇の衣」と解説パネル。エンボス加工は凹凸の版で用紙をはさみ、圧をかけることで、くっきりと線を浮かび上がらせます。

エンボス加工では、イメージの一部を浮き上げて表現します。用紙はグムンドコットン 210kg、コットン100%のファインペーパー、コットンのやわらかさと強度をあわせ持った紙で、エンボス加工を美しく仕上げています。

この展示で驚かされるのは、作られた金型が超ビッグサイズであることです(写真18、19)。エンボス加工は一般的にはワンポイントで使用することが多いのですが、ポスターサイズで使用すること自体が非常に難易度が高かったそうです。

(写真18) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真18)

(写真19) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真19)
(写真18、19)エンボス版は超ビッグサイズ。金属版の凹凸がわかるように、一部を接写しました

作品「三日月夜」─小口印刷で宇野作品を表現

作品「三日月夜」は、他の平面作品とは違って、立体作品のオブジェです。本の小口部分に宇野さんのイラストレーションのイメージをUVプリントして、本を重ねると1つのイメージが現れます(写真20)。

(写真20) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真20)本の小口部分に宇野さんのイラストレーションが印刷されています。本を積み上げるとひとつの宇野作品になります。

技法 本の小口への印刷
用紙 表紙、見返し用紙:タント N-8 46Y/100kg
   本文用紙:ソリストSP(N) 46Y/56kg(20mm厚)
        OKハルクリーム 46Y/46.5kg(30mm厚)
        コハク N AY/46.5kg(40mm厚)
   上製表紙クロス:ワールドクロス 細布 231-15(赤)
           ワールドクロス 細布 231-BK(黒)
           ワールドクロス A 細布 236-55.5(緑)
           ワールドクロス A 細布 236-56V(茶)
           ワールドクロス 細布 231-07(ベージュ)
制作 大日本刷株式会社(製本・上製加工)、
   株式会社緑陽社(小口印刷)

小口印刷は、書籍の小口部分に印刷する手法です。たとえば、辞典の小口部分に検索用の見出しを刷る印刷技法としてパッド印刷がありますが、ここではUVインクジェットプリンターで印刷を行っているそうです(写真21)。

(写真21) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真21)プリントは、複数の冊子を重ねた状態で印刷し、印刷後に個々の上製本に仕上げています。

(写真7) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真7)企画展「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-(前期展示)」入口。

(写真8) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真8)
(写真8、9)企画展のA4パンフレットと展示内容を解説した冊子。

(写真9) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真9)

(写真10) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真10)作品「龍の落とし子」の完成見本。

(写真11) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真11)
(写真11、12)作り方を解説したパネル。

(写真12) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真12)

(写真13) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真13)初校戻し。朱書きの指示やコメントが書き込まれています。

(写真14) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真14)作品「後の月」の完成見本。

(写真15) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真15)右の写真が用紙にレンズフィルムを貼ったもの。左の写真が校了紙。

(写真16) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真16)
(写真16、17)作品「蛇の衣」と解説パネル。エンボス加工は凹凸の版で用紙をはさみ、圧をかけることで、くっきりと線を浮かび上がらせます。

(写真17) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真17)

(写真18) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真18)
(写真18、19)エンボス版は超ビッグサイズ。金属版の凹凸がわかるように、一部を接写しました

(写真19) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真19)

(写真20) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真20)本の小口部分に宇野さんのイラストレーションが印刷されています。本を積み上げるとひとつの宇野作品になります。

(写真21) | 「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」に行ってきました - 生田信一(ファーインク) | 活版印刷研究所

(写真21)プリントは、複数の冊子を重ねた状態で印刷し、印刷後に個々の上製本に仕上げています。

後期展示の見どころ、インフォメーション

そのほか多彩な特殊印刷&加工の事件が見れます。前期の展示では、以下の10点の作品が展示されています。

「桃源郷」新聞紙+シルクスクリーン印刷
「龍の落とし子」UVオフセット印刷+コールドフォイル印刷
「風神」和紙(大洲和紙)+ギルディング
「吸血姫」UVオフセット印刷+箔押し2色
「三日月夜」小口プリント(UVインクジェットプリント)
「西鶴」黒い紙+UVオフセット印刷
「新月」油性オフセット印刷+スクリーンフォイラー+透明ホログラム
「蛇の衣」UVオフセット印刷+エンボス加工
「後の月」レンズフィルム+UVオフセット印刷
「美少女」ホイルペーパー+シルクスクリーン印刷

また、後期では以下の作品が展示予定です。

「薔薇」「月光」ラスター加工(レーザー加工)
「虹盗み」油性オフセット印刷+ビーズ加工
「猫町」油性オフセット印刷+タマムシフィルム+スクリーンフォイラー
「ユニコーンの」Sプリズムプリント®
「百合」油性オフセット印刷+シルクスクリーン印刷(ラメインキ)
「揚羽蝶」トレーシングペーパー+UVオフセット印刷+箔押し
「襤褸市」段ボール+シルクスクリーン印刷
「雪女郎」手漉き透かし和紙(越前和紙)

こんなに沢山の特殊印刷・加工の実験が一同に集まった展示はとても珍しく貴重な機会だと思います。お近くにお越しの機会があれば是非覗いてみてください。

来場に際しては平日は予約制、土日祝は自由来館が可能です。以下のサイトを参照ください

【施設情報】

市谷の杜 本と活字館
https://ichigaya-letterpress.jp/
住所:162-8001 東京都新宿区市谷加賀町1-1-1
電話:03-6386-0555
開館時間:平日 11:30~20:00、土日祝 10:00~18:00
休館:月曜・火曜(祝日の場合は開館)
平日は予約制、土日祝は自由来館が可能、入場無料

また、今回の企画展で展示された作品は銀座MMMで購入できます。
詳細は本と活字館スタッフ、銀座MMMまで直接お問合せください。
※1 全ての販売品には宇野亞喜良の直筆サインとエディションナンバーが入ります。
※2 現在展示中の10作品に加えて、後期期間に展示予定の8作品も合わせて販売いたします。

【ショップ情報】

銀座MMM(メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド)
https://www.mmm-ginza.org/top.html
住所:東京都中央区銀座7-7-4 DNP銀座アネックス
営業時間:11:00~19:00
電話 03-3574-2380
定休日 日・祝日、3月末日、9月末日

 

宇野亞喜良さんのイラストレーションを特殊印刷で加工してポスター作品に仕上げるストーリー、いかがだったでしょうか。特殊印刷の効果がポスターサイズの大きな面積で再現されているので、仕組みや原理を学ぶのにとても役立ちました。展示は前半/後半で入れ替えがあり、前期では10作品、後期では8作品を予定しています。もう一度足を運ぶことになりますが、楽しみです。

では、次回をお楽しみに。