平和紙業株式会社
紙のサイズと「キュリアスメタルN」。
私たちが日常使う紙のサイズは、A4サイズとか、B4サイズとか、いわゆるA列、B列と呼ばれているものです。A列は、A0、A1、A2・・・と、数字が増えるたびに小さくなっていきます。B列も同様、B1、B2、B3…と、数字が増えるたびに、サイズは小さくなっていきます。
ちなみに、A列0番が、A0、A列1番がA1。B列0番が、B0、B列1番がB1と呼ばれています。
規準となるA0、B0サイズは、JIS(日本産業規格Japanese Industrial Standards)に定められた規格で、A0サイズ=841×1,189㎜、B0サイズは=1,030×1,456㎜を基準としています。
また、A0サイズは、1.0㎡、B0サイズは、1.5㎡となり、辺の長さは、1:√2になるよう設計されています。
1:√2の比率は、長辺を半分に折ると、この比率は一定のまま、もとの大きさの半分の大きさで、相似形になるという特徴を持っています。
例えば、A0サイズ841×1,189㎜の面積は≒1.0㎡、長辺1,189㎜を半分に折ると、841×594㎜で、辺の比率は1:√2、面積は≒0.5㎡となります。
B0サイズも同様に、面積は≒1.5㎡、辺の長さの比率は、1:√2で、長辺の1,456㎜を半分に折ると、1,030×728㎜で、辺の比率は1:√2、面積は≒0.75㎡となります(図1)。
A1サイズ、B1サイズはそれぞれ、A全サイズ、B全サイズとも呼ばれていて、ポスターなどで、A全判のポスターとか、B全判のポスターなどは、このサイズを指します。
ちなみに、A1サイズは、841×594㎜、B1サイズは、1,030×728㎜です。
さて、A列、B列は、JIS規格に規定されている寸法ですが、国際規格(ISO)では、若干様相が異なります。A列は、国際規格(ISO)も、国内規格(JIS)も同じ寸法ですが、B列の、国際規格(ISO)における、B0サイズは、1,414×1,000㎜となっており、辺の対比は1:√2ですが、面積は≒1.4㎡です。
通常、日本規格のB列は、いわゆる四六判(788×1,091㎜)が適していて、B1サイズ(728×1,030㎜)がすっぽり収まり、四六判からB4サイズは、8枚取れる計算になります。
日本で使われているB列を使用している国は、日本、中国、台湾くらいで、世界標準ではありません。
従って、国際規格のB列を採用している国は、当然ながら、国際規格のB列に対応するサイズの紙を生産しています。多くは、700×1000㎜とか、720×1,020㎜が原紙寸法となります。
この原紙寸法から、日本規格のB列は取りづらいため、注意が必要です(表1)。
さて、やっと「キュリアスメタルN」のお話です。
2022年9月に、「キュリアス(CURIOUS)」という紙のブランドを生産していた製紙メーカー、アルジョ・ウィギンス社が、イギリスの主要国内工場(ストニーウッド工場、チャータム工場)が管財人の管理下となり、弊社取り扱いのアルジョ・ウィギンス社の製品は、工場における生産及び出荷が停止され、弊社からの販売は手元にある在庫からのみという状況となってしまいました。
その後、代表的な「キュリアス」の主要ブランドを、欧州のアンタリス社(ANTALIS)が取得し、海外の主要メーカーにおいて、この2つのブランドを継承。これまでの商品と同等の商品の生産を行い、再販のご要望の大きかった、「キュリアスメタル」が、「キュリアスメタルN」として、日本の市場に戻ってきました(写真1)。
米坪、寸法など、従来の「キュリアスメタル」とは、若干変更点はあるものの、従来の色を継承し、新たに新色1色(ナイト)を追加(写真2)。
随分お待たせしましたが、やっと在庫も揃い発売することとなりました。
但し、これまで取り揃えていた規格の中には、四六判も用意されていましたが、今回この四六判は、継承されず、国際規格のB列に対応する720×1,020mmと、A列に対応する640×900㎜に統一されることとなりました。
そこで、前述のサイズのお話です。
新たな「キュリアスメタルN」は、日本規格のB列に対応していないので、この点是非ともご承知いただきたいと思っております。
日本の伝統を引き継ぐ、日本独自のB列と、国際標準のB列とのせめぎ合いでもありますが、こうした規格に囚われず、自由な発想でご利用いただきたいと思っております。
「キュリアスメタルN」の詳細はこちらから
https://www.heiwapaper.co.jp/products/details/3240010.html