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『印刷インキ・色イロ』 01.インキとは

『印刷インキ・色イロ』 01.インキとは | 三星インキ株式会社

現在、私たちの身の回りに存在するものの多くにはインキが使用されているというのはご存知でしょうか?
本や雑誌はともかく、スマホ等の家電製品や衣類などにもインキは使用されており、なくてはならないものであります。昔は情報を人に提供する、記録を残しておくなど人々にとって必要なものでした。
それが現在ではコンピューターやスマートフォン等の発達により、その機能の必要性は小さくなりましたが、決して無くなる事はないと信じています。
以前も東京の山手線の車両が改良される際、吊り広告をなくして映像を流そうという話もありましたが、今まで通り吊り広告を実施するという事で収まりました。
人によって文字を読む速度が異なる為、映像では十分効果を発揮できない事が分かった為と聞いています。
その他では五感に直接訴えかける(高輝度・香り・手触りなど)ツールとして使用されるようになり、情報を提供する手段だけではない、今まででは考えられないような使われ方も行われるようになりました。
その為にインキを塗布(印刷)する方法も増えており、印刷方式や目的に応じるようにインキの種類も多岐に渡るようになってきました。
従って、今後、望む印刷物を得る為にも印刷方式やインキについて説明していきます。

まずインキとはどのようなものか概略を説明致します。

インキの歴史は非常に深く、紀元前より石や岩などの表面に文字や絵を描く為に使用されてきました。
ただ、これらは同じものを複製する事はできず、いわゆるインクと呼ばれるものであります。
印刷インキとしての歴史は1446年にグーテンベルグが活版印刷を発明したのが最初と言われていますが、我が日本の奈良時代に、鎮護国家を祈念する為に小さな塔を数多く作って各寺院に奉納されました(百万塔陀羅尼と呼ばれています)。
その小さな塔の中に入れる陀羅尼(一種のお経のようなもの)を100万巻作成したとされていますが、基になる陀羅尼を版(木製あるいは金属製とも言われています)に凸状に文字を彫り、紙に移して印刷したとされており、現存する世界最古の印刷物とも言われています。
この百万塔陀羅尼は奉納された寺院や博物館にわずか残っているだけで非常に貴重なものであり、この陀羅尼を100万巻印刷する方式こそ活版印刷であり、今から1200年以上も前の事であります。

その後、様々な印刷方式が誕生し、現在大まかに分類して4つの印刷方式が挙げられます。

①凸版印刷 ②凹版印刷 ③平版印刷 ④孔版印刷
そして現在第5の印刷方式として無版印刷が広まってきています。それぞれの印刷方式の特長は以下の通りであります。

①凸版印刷
版に凹凸をつけて印刷する方式で、凸版は凸状の画線部にインキをつけ押圧して原反にインキを移す印刷方式で、活版印刷、フレキソ印刷もこの方式に該当します。

②凹版印刷
凸版印刷とは反対に凹状の画線部にインキを入れ押圧にて原反に移す印刷方式で、グラビア印刷・コロタイプ印刷はこの方式に該当します。

③平版印刷
平版印刷は凸版、凹版とは異なり、画線部と非画線部はフラットな状態で、物理的にインキを原反に移すのではなく、画線部を親油性、非画線部を親水性に化学的に処理を施し、水と油の反発を利用して印刷する方式です。平版インキは印刷インキ全体に占める構成比が最も高く、市場性も大きく広い分野で使用されており、日本国内では最もポピュラーな印刷方式であります。平版印刷は一般的に版についたインキをブランケットに写し(Off)、ブランケットから原反に移す(Set)事からオフセット印刷と呼ばれています。

④孔版印刷
版に画線部となる部分に無数の微細な孔を開け、押圧によって孔を通ったインキが原反に移る印刷方式であり、印刷の対象となる素材が平面だけでなく曲面体にも印刷できる、たくさんのインキ量を塗布できる事から多様性に富んだ印刷方式であります。版に網目の素材を使用する事からスクリーン印刷とも呼ばれています。「プリントごっこ」や「リソグラフ」等が代表例として挙げられます。

⑤無版印刷
いわゆるインクジェット印刷方式と呼ばれており、版を使用せず、直接原反にインキを噴出して絵柄を作る方式であり、現在技術の発展に伴い、高繊細な絵柄を得ることができるようになってきています。

上記印刷方式は様々な媒体で情報を入手できる(非常に細かく書かれたものもあります)ので詳細は省略致しますが、インキメーカーとしては印刷方式及び原材料(溶剤・水性・油性・紫外線硬化)に応じた多種多様なインキを設計・販売しており、印刷される方は目的に適応したインキの探索が、良き印刷物を得る最も重要な事項である事を留意して頂きたいと思います。

次は印刷方式に応じたインキについて紹介致します。

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創業1923年の古い歴史を持つ印刷インキ製造メーカー
世界で初めて1液型金インキ、また日本で初めてSOYインキを販売
金・銀インキを中心に意匠性の高いインキを市場に展開
人と環境に優しい製品づくりで社会に貢献
研究開発を重視し、各種特殊インキの開発と製品作りを全力で取り組んでいます。

川口 智幸
研究室 室長

平成6年 三星インキ株式会社に入社し、研究室に配属
様々な種類の印刷インキを設計・開発
最近はインキの開発だけでなく、法令関係も担当
人からは外交的と言われるが、実際は人見知りであがり症

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