株式会社 オオウエ
機械抄き和紙の産地
こんにちは、大上です。
今回は、機械抄き和紙の産地について書きます。
江戸時代のころ、手漉き和紙は全国で作られていました。
和紙は、比較的産業にしやすい商品だったのです。
楮はどこでも育ちますし、水と道具があれば始められます。
しかも、激増する需要。
各藩、こぞって和紙を作りました。
しかし、明治の世になり、平成の世になり。
そうしてたくさんいた和紙の製造者たちは、需要減に伴い減っていきました。
機械抄き和紙の会社は、大半が、もともと手漉き和紙を作っていた製造者さんが、創業したものです。
和紙の需要の変化をにらみ、改革を行ってきたのです。
ただ、やはり機械を導入するとなると、手漉き和紙を開業するのに比べて、投資が必要になります。
ある程度の需要量があった産地で、効率化や最大化を図るために、機械を導入したのです。
弊社のお付き合いしている産地での機械抄きは、美濃、越前、土佐、阿波、伊予、因州、山梨と、昔から和紙作りで有名だった産地が多いのです。
増えていく紙の需要にこたえて、これらは大きく成長しました。
しかし、ピークを迎えた需要期は、2000年以降下がり続け、毎年廃業のニュースに胸を痛めるようになってしまいました。
機械抄きでは産地ごとの特性が薄れ、商圏の拡大を迫られたとき、設備や品数を増やすことが出来たメーカーは生き残っています。
規模や生産量、設備でやはり明確に価格にも差が表れてしまいます。
そして現在、この不況の中からまた新しい流れが出来てきつつあります。
自分たちの強みを活かした、汎用品ではない機械抄き和紙作りです。
今一度、産地として、自分たちの技術として、ほかに出来ない紙づくりを心掛けるメーカーも現れています。
そういった会社さんとタッグを組みながら、問屋としても新しい日本の紙づくりを応援していきたいなと思っています。