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三星インキ株式会社
現用顔料について

現用顔料について - 三星インキ株式会社 | 活版印刷研究所

今回は現用顔料について書かせて頂きます。

前回に引き続き、インキメーカーが使用している顔料を簡単にまとめると表のようになります。

表)インキメーカーが使用している顔料 | 現用顔料について - 三星インキ株式会社 | 活版印刷研究所

表)インキメーカーが使用している顔料

この表はほんの一例であり、耐性・鮮明・着色力・色調等によって様々な顔料を使い分けて使用しており、特に明るい色に関しては非常に多くの顔料が存在しています。
顔料の世界も非常に奥が深く、細かく説明する自信がありませんので、もっと詳しく知りたい方は個人的にお願い致します。

以上のような顔料(有機顔料・無機顔料)を使用して、我々インキメーカーはインキを製造しています。以前にも書きましたが、インキは顔料とビヒクルを均一に分散させないと印刷効果(色・光沢)や印刷適性(流動性など)が劣る為(第3回コラム参照)、分散機を駆使して練肉工程を行っています。しかし同じ顔料を使用しても全く同じインキにはならないのです。

では、顔料によってどのような違いがあるのでしょうか。

現在顔料を製造する際、ビヒクルとの濡れ性を高める為、ほとんどの顔料は表面処理を施していますが、顔料の種類やメーカーによって表面処理の方法が異なり、同じ顔料でもメーカーが違えばビヒクルへの分散性が異なり、色調・隠蔽性・光沢・流動性等に差が出ます。これが天然成分を主成分とした無機顔料となれば、産地や精製度合いなどによってその差がより顕著に現れます。その代表例がカーボンブラックであります。

カーボンブラックは簡単に言えば燃料(油)を燃焼(不完全燃焼)させ、その時にできる煤(スス)の事を言うのですが、メーカーによっては燃料の種類や燃焼装置(不完全燃焼度合い)に違いがあり、更に燃焼時の温度や時間等を意図的に変える事で、粒径や表面状態、粒子同士のつながり等に違いを付けて異なる品種を揃えています。従って、同じカーボンブラックと言っても様々な品種が存在し、粒径・表面状態によってインキ製造時の分散方法や使用する添加剤も変える必要が出てきます。特にカーボンブラックは顔料の表面積が非常に大きな顔料であり、他の顔料に比べて一般的に吸油性が高く(油を吸収しやすい)、ワニスとの濡れ性が劣る傾向にありますので、添加剤(湿潤剤・分散剤)の効果を最大限に引き出す必要があります。

逆に金・銀インキ等に使用している金属顔料(真鍮・アルミニウム)は、ワニスとの濡れ性が良すぎると金属顔料の浮きが抑えられ、金属顔料特有の輝度感を得る事ができません。

従って、輝度感の高い印刷効果を有する金・銀インキを得るには、金属顔料とワニスとの濡れ性を抑えるような表面処理を施し、印刷時にワニス成分から金属顔料が飛び出す(皮膜表面に浮く)処方を施します(金・銀インキは後日改めて詳しく説明させて頂こうと思っています)。

以上のように、顔料の種類=製品の種類ではなく、同じ顔料でも表面処理や製造方法によっては異なる製品(顔料)となり、この製品(顔料)の違いを活かして我々インキメーカーは特長のある様々なインキを作り出しています。

次回は色について書かせて頂きます。

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