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三星インキ株式会社
色温度について

色温度について - 三星インキ株式会社 | 活版印刷研究所

以前UVインキについて説明させて頂いた際、紫外線について書かせて頂きました。
再度復習となりますが、紫外線は200-400nm(ナノメートル)という範囲の波長を有する光の事で、可視光線(おおよそ400-800nm)の波長の短い範囲の外側にあり、反対の波長の長い可視光線の外側にあるのが赤外線と呼ばれています。(写真1)

(写真1) | 色温度について - 三星インキ株式会社 | 活版印刷研究所

(写真1)可視光線

紫外線は読んで字の如く、紫色あるいは青っぽい色の光です。

おさらいになりますが、青っぽい色は『寒色』と呼ばれており、実際に人間は青い色を見ると『副交感神経』が刺激されて心拍数が下がり、鎮静効果をもたらすと言われており、人によっては数℃低く感じるそうです。

でもこれは人間が目で見て、脳が勝手に判断しているだけでしょう?とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、ほんとは色にも温度があるのです。

これを色温度と言います。

一般に色温度が低いほど赤く、高いほど青くなります。

前述の通り、青系の色を『寒色』、赤系の色を『暖色』と呼ぶのですが、実際に色が持つ温度は青系の色の方が温度は高いんだと思われる方がいると思いますが、寒色・暖色は人間の心理的な受け取り方であり、実際は逆なんだそうです。

この色温度を身近に感じることができるのは『火』です。

ろうそくの炎などは内側の温度の高い部分ほど青く見え、外側の温度の低い部分ほど赤く見えます。

また同じ火でも、ろうそくとガスコンロの火ではどちらの方が温度が高く、色がどのようになっていますか?

なんとなくイメージできてきたでしょうか。

もう一度言いますが、光は赤いほど温度が低く、青いほど高くなります。そして温度変化によって赤色から青色へ移る間に一度無色に近い色になります。

色温度は単位をケルビン(K)で表し、数値の大きい方が温度が高いという事になります。

赤味の強い光(朝日や夕日、ろうそくの外側の色)は約2,000~2,500K、日の出から2時間程度経過した光が約4,200K、正午の太陽光が約5,000K、よく晴れた夏の暑い日の太陽光は10,000K以上と言われています。(写真2)

どうです?お分かりいただけますか?

太陽がギラギラ照りつける真夏の青空。

夕日が沈む水平線、赤い夕焼けがきれいですね。

太陽がもたらす光によって地表の温度も変化します。

太陽が高く上がり暑くなればなるほど青空が映え、低く見えなくなるほど赤くなる。
といった感じです。

(写真2) | 色温度について - 三星インキ株式会社 | 活版印刷研究所

(写真2)

ただ、色に温度があるということはわかったけれども、印刷などにはあまり関係ないでしょう。と思われるかもしれません。

しかし色を見るのに色温度はとても大事なものなのです。

色を見る(測る)際に測色計(濃度計・色彩計)をご使用されている事と思いますが、測色計の画面に「D50」や「D65」などというものが表示されていないでしょうか?

これは光源を表すというのは周知されていると思いますが、なぜこのような表記なのでしょう。

察しのつく方はもうお判りでしょう。

そうです。色温度に関係しているのです。

以前のコラムで測色計がない場合に色を見る場合は、晴天時の北側の窓から差し込む太陽光が良いと書かせて頂きましたが、この時の光が5,000K程度と言われています。

そうです。「D50」の50という数字は色温度5,000K(厳密には5,003K)の光を光源としているということを示しています。

この光は一般的には「昼白色」と言われている光の色で、太陽の明るさに最も近い自然な光を表します。

そしてこの「D50」光源とする測定方法については、日本印刷学会推奨規格の「透過原稿、反射原稿及び印刷物の観察方法」で共通化された照明光と規定されています。

では「D65」はどうでしょうか。

これも色温度6,500Kの光を光源(厳密には6,504K)としており、一般的には「昼光色」と呼ばれる白味の中でもやや青みのある光であり、JIS規格で塗料・染織物・プラスチック製品等の一般的な色評価に用いられています。

以前からお話しさせて頂いている通り、光源が変われば色は変わります。

測色計を使用する際も光源が変われば値も変わってきます。

十分お気を付けください。

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(写真1) | 色温度について - 三星インキ株式会社 | 活版印刷研究所

(写真1)可視光線

(写真2) | 色温度について - 三星インキ株式会社 | 活版印刷研究所

(写真2)