(株)和光
AMスクリーンについて2
前回は、AMスクリーンについて掘り下げてご説明させていただきました。アミ点について、少しご理解をいただいて、単色のアミ点印刷ができるようになれば、人は欲深い生き物なので、2色や3色の掛け合わせたくなり、そして、フルカラー印刷をしたくなります。
そこでもう一つ、アミ点の問題が発生してしまいます。それが、「モアレ(干渉縞)」というものです。
モアレ(干渉縞)とは、アミ点のように、一定で規則正しく整列したアミ点同士が干渉し合い、本来、意図しない模様が発生することを指します。テレビで、細かいストライプ柄の服や模様が、変に見えた記憶はありませんか?それは、テレビの走査線とストライプ柄が干渉してモアレが発生していたのです。それでは、2つのアミ点配列を使って、どのようにモアレが見えるかシュミレーションしてみましょう。
2つの色が重なった部分に模様が発生しています。2つのアミ点が重なったり、隙間が空いたりと不規則になるので、模様が見えてしまいます。
アミ点は規則的に点を配列していますので、2枚以上のアミ点配列が重なれば、モアレが発生することは防ぎようがありません。
いかに目立たないようにするかが対応策になります。それでは、様々な角度で2枚のアミ点を重ねて、モアレの変化を見てましょう。
どんな角度でも、モアレが発生していますが、30度のモアレが一番気になりにくいです。サンプルの画像は、かなり拡大した設定なので、実際の30度のモアレは、気にならない範囲です。
フルカラー印刷になると、シアン・マゼンダ・イエロー・ブラックと4枚のアミ点配列が重なります。そのため、各色30度違いでアミ点を作成します。当社の各色のアミ点角度をご覧ください。
ご覧になって、「あれっ、1色だけ30度の違いになっていないぞ。」と思われたと思います。そうです。イエローだけブラックと15度の差しかありません。90度内に30度違いで配置しようとすると、3色しか入りません。そこで、一番視覚的に目立ちにくい色、イエローを15度の差で配置して4色すべて配置します。
どの角度でどの色を配置するかは、各社で違いはあります。このモアレのことをロゼッタパターン(ロゼッタモアレ)と呼びます。「ロゼッタ」とは、アルファベットで「rosetta」と記述し、バラを意味する「rose」に由来した語句です。花柄に見えるモアレなので、ロゼッタパターン(ロゼッタモアレ)と呼ばれています。
お近くに、印刷物があれば、ルーペ等でご覧になってください。たくさんの花(rosetta)が咲いています。