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三星インキ株式会社
UVインキについて③

UVインキについて③ - 三星インキ株式会社 | 活版印刷研究所

前回までは、UVインキの乾燥(硬化)機構について説明させて頂きましたが、今回はUVインキを使用する際のメリット・デメリットについて書かせて頂きます。

前回までの説明で、UVインキは紫外線を照射させる事で瞬間的に皮膜を形成するという事は説明させて頂きましたが、この特長がUVインキを使用する最大のメリットとして挙げられます。

これ以外のUVインキのメリットとして、

・ドライダウンが発生しない(印刷直後と時間経過後で印刷効果面に違いが発生しない:瞬間的に硬化するので時間が経っても更に変化はない)
・裏移りやブロッキングが発生しない(スプレーパウダーの散布も不要)
・皮膜強度が高い(硬い)

そして上記以外では、何度も書いていますが、石油系溶剤などをインキ組成に使用していないので『環境に優しい』という事です。

では全てのインキをUVインキにすればいいんじゃないの?という事になりますが、そこは以下のようなデメリットも存在しています。

・瞬間的に硬化するので、皮膜が平滑になる(レベリング)前に皮膜が形成されるので光沢が出にくい(特にレベリングが必要な金・銀インキの場合は艶が出ない)。
・インキが高価である
・軟調にしにくい(溶剤成分を使用していないので)
・新たに紫外線を照射する設備を導入する必要がある

上記のようにメリット・デメリットはありますが、UVインキは瞬間的に硬化するという特長を有していることから、短納期・小ロット化が進む現在の印刷市場にマッチしており、印刷産業がシュリンクしていく中でもシェアを拡大しています。

このような特性を有する光硬化技術は印刷インキだけではなく、様々な分野にも使用されており、紫外線硬化樹脂の特性(皮膜強度の強さ)を活かして表面の保護材としての使用や、速乾性と強度面から接着剤やパテに、医療関係としては歯科医での詰め物などに使用されています。
また最近ではレジン剤としてアクセサリーなどを作成される際の樹脂として使用され、また3Dプリンターなどにも使われています。(写真1)

写真1 | UVインキについて③ - 三星インキ株式会社 | 活版印刷研究所

(写真1)

以上のように、光硬化技術は印刷だけではなく、全く印刷に携わっていない人達にも周知された技術であります。

次回は紫外線について説明させて頂きます。

UVインキについて③ - 三星インキ株式会社 | 活版印刷研究所

写真1 | UVインキについて③ - 三星インキ株式会社 | 活版印刷研究所

(写真1)