（株）和光
活（い）きた版 「箔押しその11」

今回は、デザインをして、箔押しに挑戦してます。単純に箔押しをしても面白く無いので、多色箔押しに挑戦します。

デザインデータは、箔押しその9でホットラミネーターを使って箔転写を試みたあのア◯アンマンです（写真1）。今回は細い文字等も試してみたかったので、文字を追加しました。
メタルのパワードスーツが大好きなので、箔押しのデザインにはもってこいです。
早速、箔押し3色用のデータを作成します。

（写真1）

金箔、赤メタリック箔、銀箔の3色で表現します。（目の部分は黒ですが、手持ちの箔の関係で、銀で表現します。）上下に見当合わせ用の十字トンボを付けます。

真鍮版（1.2mm）で箔用の版を製版します。（写真2）

（写真2）

次に、見当合わせ用のプリントを用意します。今回は、透明ＰＥＴのタック紙にプリントして、絵柄部分のみセパレーターをはがし、裏から透明ＰＥＴを貼り合わせて、フィルム状にしました。（写真3）

（写真3）

色をシアンにしたのには理由があります。真鍮版の表面はレジストで赤黒い色をしています。版をホットユニットにセットするときに版と見当合わせ用プリントの位置が合えば、紺に見えます。これで見当合わせが楽になります。
版のセットがずれていると、このようにシアン部分が見えます。（写真4）

（写真4）

版のセットが正しいと紺に見えます。（写真5）

（写真5）

また、紙を同じ位置にセットできないと、毎回違う位置に印刷されてしまい、多色刷りができなくなるので、紙固定用のガイドもセットします。（写真6）

（写真6）

版の固定には、デンプン糊を使用します。テープなどを使用すると、加熱によって接着層の糊がドロドロになり、後々面倒になりますし、今回は版が下にあるので、ある程度の固定ができればよいです（写真7）。また、使用後もウエットティッシュで拭けば除去できるので、楽です。

（写真7）

早速、赤箔から箔押しをしていきます。レタープレスコンボキットでクルクルします。熱、圧力も適切なハズなので、今までみたいにビクビクしないでいきます。（写真8、9）

（写真8）

（写真9）

文字部分が少し箔の転写がシャープにならないので、調整していきます。
この工程を金箔、銀箔と繰り返して行います。版の交換のため、熱が冷めるのを待たなければなりませんが、その時間を除けば、比較的早く作業が進みました。そして、3色箔押しの完成です（写真10）。

（写真10）

細い文字部分がシャープに出来なったのが心残りですが、トラブルもなく、スムーズにできました。
出来栄えも満足できるクオリティーです（写真11）。プラットフォームを新調したおかげでしょう。

（写真11）

印刷、箔押し共に言えることですが、プラットフォームの平滑性やベースと天板のギャップの均一性が、加工には重要です。今までしようしていた簡単に作成した木製プラットフォームでは、その２点において不十分だったため、上手くいかなかったのでしょう。さて、今後はもう一つの使用方法の印刷に着手します。