株式会社 オオウエ
世界に通用する和紙
こんにちは、株式会社オオウエの大上です。
和紙は日本の誇る文化です。
ユネスコ世界無形文化遺産に登録されたことで、一層その思いは強くなりました。
しかし、実際に和紙を販売する会社からすると、なかなかそういう評判とは裏腹に、苦戦しています。
和紙と言うのは素材なんですね。
例えば同じ世界遺産でも富士山や和食を見てみましょう。
富士山はわかりやすいです。
まず、見た目からわかります。
富士山が気に入った方は、実際に旅行をして見に行ったり、実際に登山をしてみたり。
また、和食の場合ですと、中華や洋食との違いを、食べることで感じることが出来ます。
美味しいものを食べたいのは世界共通の願いです。
一方で、和紙はどうでしょう。
和紙の場合は、なんの予備知識もなく見せられても、綺麗や触り心地がいい、くらいにしか思えません。
しかも、ほかの機械抄き和紙や洋紙と比べても、イマイチ何が違うのかがわかりにくいです。
また、じゃあ実際に使ってみようとなっても、書道や絵画をやっている人以外には使う場面がありません。
実は、ユネスコ世界無形文化遺産は、無形というだけあって、和紙そのものではなく、和紙を作る工程自体に価値を認めています。
確かにメディアなどでも、紙そのものは画面映えしないので、漉くときの様子ばかりが映ります。
では、和紙は役に立たない素材なのでしょうか。
いいえ、局所的ではありますが、和紙にしか出来ない、あるいは和紙が非常に優れていることがあります。
その一つは、修復です。
薄くて強く、長持ちであるという和紙の特性を活かして、修復の現場に和紙が使われています。
大英博物館やルーブル美術館など、名だたるところで使用されています。
薄い方が、絵画などが見えやすく作業性がいい、それに保存がきくことも重要です。
また、版画などのアートの世界でも和紙は重宝されます。
ふつうは厚い紙を使いますが、薄くて強いので破れずに独自の表現が出来ます。
このように、ニッチでありながらも確実に和紙は世界で支持されています。
他にも、和紙じゃないとだめという領域を作っていきたいものです。