あみりょうこ
ポスター!壁!広告!
Enero(1月)
こんにちは。あみりょうこです。新しい年を迎えたなぁ、と思っていたらもはや1月も下旬ですぐそこに2月が迫っています。
メヒコの町を歩いていると、直接壁にいろいろかいてある光景をよく目にします。(写真1)
スプレー缶で描かれたグラフィティアートであったり、ただの落書きであったり、あるいはお店のロゴであったり、壁画であったり、コンサートのお知らせであったり。
日本でも広告はたくさん見かけますが広告は広告の場所、という風に貼る場所が決められていたりするイメージがあります。あるいは、看板が多いなぁという風にも感じます。そういう街並みを見ながら育ったからか、メヒコでは直接壁にかいたり張り付けるのが目につきます。
メヒコ壁いろいろ
こちらはコンサートのお知らせ(写真2)。ペンキで直接書かれています。壁一面にアーティストの名前と日付がでかでかと書かれてあるので、車窓から通りすがりでも強烈なインパクトで情報が入ってきます。
お店にも、看板を掲げるのではなくこのように壁に直接店のロゴが描かれているのをよく見かけます(写真3)。このロゴやレタリングを描くことを仕事にしている人もいるようで、何度か描いている様子を見たことがあります。
一度じいっと見ていると、「レタリングならいつでもご用命を!」と声をかけられました。メヒコではこのように直接自分の仕事を売り込むこともよくあるようです。
こちらもお店のロゴ(写真4)。やはり手書きなのでうまい下手が如実に……。
これは手書きの緩さにもほどがある……!という感じですが、見れば見るほど、逆に味があっていいような気にもなってくるので不思議です。(写真5)
こちらは、コンサートやイベントのお知らせのポスターを壁に直接貼り付けたもの(写真6)。貼ったもの勝ちという感じの印象を受けました。というのも、この写真を撮った前日には、これらのポスターの下にルチャリブレのポスターが貼ってあったからです。
こちらは印刷物なので、手書きのものよりも小さいですが情報量が多いので歩いている人に向いています。ただ、こうして連続で張り付けまくることで車で通りかかっても抜群に目を引きます。
ポスターにまぎれてアーティストの作品も張り付けてあるのを見かけることもあります(写真7)。そういう場合は、デジタル印刷やオフセット印刷ではなく版画を刷ったものの場合が多い気がします。
アーティストの壁画(写真8)。壁画も本当に多いです。
市場の一角の壁画(写真9)。メヒコでは、1920年代から1930年代にかけて壁画運動が行われたので、今でもたくさんの場所でこのようなメヒコの歴史や文化などが描かれた壁画を見ることができます。
メキシコ壁画運動(めきしこへきがうんどう、Mexican muralista art movement、メキシコ・ルネサンス)革命の意義やメキシコ人としてのアイデンティティーを民衆に伝えることが目的であり、そのため個人所有でなく誰でもいつでも見ることのできる壁画が主な媒体に選ばれた。
壁画運動について(wikipediaより引用)
塗り重ねる!
近くで見ると、このように前のものがうっすらと残って見えることがあります(写真10)。古い情報は塗り重ねられていて、まるで私たちの日々のようです。
デジタルの情報は上書きすると古い情報はまるでなかったかのように見えなくなってしまいますが、このように「前に何か別のものがあった」というのを目の当たりにすると少し立ち止まって考えさせられるような気がします。あるいは、日々のようだからこそシンパシーを感じるのかもしれません。
これを見た時、アメリカの活版印刷ポスターアーティストのAmos Paul Kennedy Jr.さんの作品を思い出しました。(写真11)
何層にも重ねられたプリントは、文字です。活字の持つ力を感じずにはいられない作品です。
12月に活版印刷のプルーフプリンターを使える機会がありました。上記のようなことをいろいろ考えていたので、文字を重ねたプリントを作りたいと思いました。
GO FOR IT!!!(行け!!!(≒がんばれ!!))をぐるぐる転がしてみました(写真12)。2020年もたくさんのプリントメイキングに出会えますように!!それでは、今年もどうぞよろしくお願いします。