(株)和光
活(い)きた版 「印刷テスト(データ作成編)」
今回は、あるお客様よりの質問がきっかけで、印刷テストをしてみたいと思います。
ある日、お客様より、「活版の製版でどの位の小さな文字が製版出来ますか?」と質問されました。
シール・ラベルの製版では、かなり小さい文字まで製版した実績はありますが、その時のシール・ラベルの印刷方式が、活版とは少々違ったので、活版印刷(レタープレスコンボキット等)想定で、どの位の大きさの文字等が製版、印刷できるのか試してみたいと思います。
まず、データ作りからスタートです。
ベースとなる文字を作成します。今回は、社名であるWAKOをベースにテスト用のデータを作成していきます。
色々なフォントから書体を決めていきます。(写真1)
フォントデータにアウトラインをかけ、アウトラインを色々な線幅で構成していきます。最も細い罫線は0.25ptと設定します。通常、製版する時は、0.283pt(0.1mm)を最も細い罫線と設定しておりますので、0.25pt幅はぎりぎりな細さになります。イラストレーターのプルダウン線幅選択で最も細い設定が0.25ptなので、その幅を採用しました。
それから部分部分に太さを変え、1ptまで作成しました。これ以上の線幅は必要ありませんので、残りは、細い罫線の点線に設定します。(写真2)
次に、小さいポイントの文字からに大きいポイントの文字をレイアウトしていきます。色々考えた挙句、WAKOの文字の中を8分割して、1ptから4ptまでの8パターンをレイアウトすることにしました。
まず、WAKO文字内を8ブロックに分割します。(写真3)
この8ブロックに1ptから4.5ptまでの文字を入れていきます。和光の漢字をエンドレス柄にしてはめ込みました。(写真4)
一通り欲しいアイテムはデザインに盛り込んだのですが、スペースが気になるので、線幅0.283ptの同心円を隙間違いで5パターンレイアウトしました。隙間の製版、印刷再現の検証用です。(写真5)
ここまでくると、アミ点も入れてみたくなります。5%・10%・20%・30%・40%と5パターンのアミもデザインしました。真鍮版では、5%・10%・20%は製版難しいかもしれませんが、限界を見るのもテストの内なので、今回採用しました。(写真6)
あとは、分かりやすいようにptの説明を入れて、完成です。(写真7)
金属版製版では、少々ハードルが高そうなデザインになりましたが、その検証も目的なので、製版してみたいと思います。
次回は製版編です。お楽しみに。