世界で最も美しい木製活字フォント
Miki Wang
Louis John Pouchée’s lost alphabets とは世界で最も美しくて野心溢れると言われている木製活字フォント。初めてこの木製活字フォントに気付いたのは2009年にアメリカで上映されたドキュメンタリー映画「TypeFace」の中のワンシーンで、ただ1分半という短い時間だったが、フォントの繊細な細部と波乱万丈な境遇に心惹かれた。
この木製活字フォントは19世紀のロンドンにあるルイ・ジャン・プシェー(Louis Jean Pouchée)という活字鋳造所で製作された。雇われた彫刻職人が一連精巧な装飾風木製活字を作った。これらの美しい大文字は全てツゲの木を彫ったもので、高さは全部100ミリを超えた。そして19世紀初頭のシャドータイプスタイルを表現しながら果物、農具、農場の動物、楽器とフリーメイソンマークなどの複雑な彫刻が飾られている。活字の細部は想像できない程高い工芸技術を持っている。同じ時期民間で製作された装飾活字の中で、誰でもこれらの技術を超えることができない。でもこの木製活字フォントが誕生から間も無く、活字鋳造所が低価格競争で貿易協定に違反したため閉業に追い込まれた。ある情報によると、活字は数十年に渡ってあるアンティークショップで眠っていた。実は彼らはいくたびかこの世の中に姿を現したが、注目されることはなかった。例えば、ある時はヴィクトリア朝初期の贅沢なスタイルに間違えられ、ウッド・アンド・シャーウッドがロンドンにある工場の製品に分類されたのだ。
1966年の時、James Mosleyという人がこの木製活字フォントの本当の身世を調べ始めた。全ての始まりは1936年、同時活字の所有者HW Caslon&Co(有名な活字鋳造所)が倒産して、Monotype という会社が一部分の資産と株を買収した。
買収された資産の中でこの木製活字フォントも含まれていたが、1940年の時、Monotype が入っていたロンドンにあるオフィスが火事に遭われて、活字もその時の火事と共に燃えたと思われた。60年代の時、Monotype が会社の資産を改めて点検して、この木製活字フォントがもう一度人に見つかった。その後、活字は最初オックスフォード大学出版社に譲渡をした後、また違うコレクターに譲渡をして、何回も渡って最後にはJames Mosley の聖ブライド図書館の至宝として大切に保存されている。
ここまで書くとこの木製活字フォントの呪われた境遇が波乱万丈過ぎると思わずにはいられない。
しかし、この二百年前に製作された木製活字フォントのアイデンティティと何のために作られたのかという点については凄く気になるところだ。先ず、実はこの木製活字フォントは一度も印刷されていないかもしれない。何故かというと、ルイ・ジャン・プシェー鋳造所が残したあるフォントのカタログの中で、31個装飾字母の中23個は聖ブライド図書館のものとは同じシリーズ。そして19世紀の時、ルイ・ジャン・プシェー鋳造所の営業項目の中で、その一つはステレオタイプの鋳造である。ですから、これらの活字はただステレオタイプの鋳造のために作られて、ポスター生産の活版印刷用のプリントブロックかもしれないのである。
世上最美的活版木刻字體
Louis John Pouchée’s lost alphabets,這批木刻活字被形容,是世上最有野心、最美的字體。 首次注意到這批字,是2009年在美國上映的活版印刷紀錄片TypeFace中,僅出現了短短的1分半鐘,但展現的細節和她曲折的身世卻讓人十分著迷。
這批字來自19世紀Louis Jean Pouchée 路易普榭的鑄字廠。他聘請的雕刻工藝師製作了一系列精美的裝飾風格的木刻字。這些美麗的大寫字母,字高都超過100mm,雕刻在堅硬的黃楊木所製成。呈現著在十九世紀初的超粗體陰影字風格,裝飾著水果,農具,農場動物,樂器和共濟會標誌的錯綜複雜的雕像。這些細節具有不可思議的工藝水平。在同一時期的以民間製作的裝飾性字體,沒人能出期右。隨著這批字的誕生不久,在當時Pouchée普榭的鑄字廠低價競爭,違反了貿易協定而因故歇業。有消息指出,這批字流落至一間古董商店數十年之久。事實上,這批字體再次出現時,卻不只一次被忽略過,像是被錯誤地描述為“早期維多利亞時代的”奢華風格“的例子,並被歸入Wood&Sharwoods倫敦代工廠中。
1966年由James Mosley 詹姆士莫斯雷,開始拼湊出這批字的真正身世。在二十世紀時,Pouchée的字母所有權和下落的故事始於1936年,當時擁有者是HW Caslon&Co(知名的鑄字廠) 因故倒閉,Monotype公司收購部份股票資產,其中就包含了這批Pouchée的字母。但在1940年Monotype的倫敦辦公室發生火災,這批字被認為在火災中摧毀,直到60年代,當Monotype重新審查財產清點,這批字又重新被找到,隨後這批字的收藏,再次轉移到牛津大學出版社,最後又到了James Mosley 的聖新娘圖書館,並成為鎮館之寶之一。
寫到這裡不免覺得這批字,帶著有點詛咒的身世太曲折了。
然而,關於這批兩百年前木刻活字的身世確認和打造意圖,仍舊讓人十分好奇。首先,這批字從來沒有被印製過?!在判定是由Pouchée鑄字廠製造的線索當中,從鑄字廠遺留下的一本字體型錄中發現,其中包含31個裝飾字字母,其中23個是St Bride系列,確認是來自Pouchée鑄字廠。
由於Louis Jean Pouchée 路易普榭的鑄字廠,在19世紀當時其一的營業項目,便是以專長在紙型翻鑄金屬字( Stereotype Casting),因此研判這批字極有可能只是為了翻鑄而產生,作為用於生產海報的活版印刷中使用的金屬印版的圖案(Print block)。