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活版印刷と紙の染色
PAPERWORK 增本 綾
EDITOR Miki Wang

わたしは台北にある活版印刷所 PAPERWORK で活版印刷工として働いています。
個人的なプロジェクトとしてカラフルなハンドメイドペーパーに活版印刷をしてみたいと思ったのが始まりでした。しかし想像しているような鮮やかなハンドメイドペーパーは見つかりません。それでは「ないものは作りましょう」ということで、今回は紙の染色に挑戦してみました。

同時期に、素晴らしい詩人の方と出会いました。歌集「砂丘律」の千種創一さんです。中東短歌という少し変わった短歌を詠む詩人の方で、わたしも中東に住んでいたということもあり、彼の作品に魅せられました。ぜひ活版印刷で作品を作らせてくださいとお願いすると、快く承諾してくれました。

まず染色するにあたって何種類かのハンドメイドペーパーを日本、台湾、インド、タイから取り寄せ、どの紙が染色しやすいか試しました。カラーインクはDr.Ph.Martin’sを使用しました。試作の結果、「NOZOMI PAPER FACTORY」さんが作っているハンドメイドペーパーとの相性が良かったので使わせていただくことにして、日本から送って頂きました。NOZOMI PAPER FACTORY さんは南三陸の福祉施設で牛乳パックから手漉き紙を作っています。紙の吸水性が良く、今回染色にむいていました。またフワフワの紙とスムースな紙のムラがあるところも個人的にはとても気に入っています。
http://www.nozomipaperfactory.com

カラーインクを水に溶いてスプレーで染色しました。水溶性のカラーインクですので、染色した紙は乾くと当然カーブします。それを1枚ずつスチームアイロンをあて、製本用プレス機でまっすぐにしていきます。これが意外と大変な作業で、まるでクリーニング屋さんに就職したような気分になりました。

そして千種さんから送って頂いた詩を元にaiデータを作成し、樹脂製版をします。厚みのあるフワフワの紙ですので、今回は1.5mm厚の樹脂版を使いました。

最後に活版印刷です。普段わたしが仕事で使っているのはハイデルベルクのプラテン機ですが、今回は各50枚ほどの印刷ですし、耳付きの紙を使用するので、日本から持ってきたNAGAIのテキンで印刷することにしました。
ハイデルのプラテン機で印刷するとどうしても挟むときのクリップの跡が紙についてしまいます。普段はその後に断裁するので問題ないのですが、今回は耳付きの紙で断裁できませんので、それは避けたいと思いました。
今回のようにかならずしも自動の機械が良いとは限りません。デザインによって向いている機械や版を選ぶことが大切だと日頃考えております。

中東から詩を、日本 南三陸から紙を、インドから封筒を台湾に送って頂き完成させることができました。様々な場所で手作業によって作られ、台湾で完成したこのカードが、また様々な場所に送られると良いなと思っています。

写真1 | 活版印刷と紙の染色 - Miki Wang | 活版印刷研究所

フワフワの紙とスムースな紙の違いが楽しめます
「有著輕柔和滑順兩種質感的手工紙」

写真2 | 活版印刷と紙の染色 - Miki Wang | 活版印刷研究所

写真3 | 活版印刷と紙の染色 - Miki Wang | 活版印刷研究所

写真4 | 活版印刷と紙の染色 - Miki Wang | 活版印刷研究所

染色した紙、耳付きの紙の良さを感じます
「染色後的紙,帶紙邊的手工紙有其獨有的情調」

写真5 | 活版印刷と紙の染色 - Miki Wang | 活版印刷研究所

写真6 | 活版印刷と紙の染色 - Miki Wang | 活版印刷研究所

全4種類、PAPERWORKで販売予定です
「活版印刷卡片全4種,PAPERWORK預定銷售」

写真7 | 活版印刷と紙の染色 - Miki Wang | 活版印刷研究所

歌集「砂丘律」と共に
「詩歌集「砂丘律」和活版印刷卡片」

 

活版印刷與紙的染色
PAPERWORK 增本 綾
EDITOR Miki Wang

我是一名活版印刷職人,在台灣台北一所名叫PAPERWORK 的活版印刷所工作。

一直想使用活版在五顏六色的手工紙上做印刷,突然心血來潮便將其作為個人的計劃開始了。但是實際上,鮮豔的手工紙並沒有那麼好找,於是決定「自己動手DIY」挑戰紙的染色。

同一時期,我相識了一位高尚又優秀的詩人,他就是創作了「砂丘律」詩歌集的千種創一先生,與其他詩人不同,他創作與眾不同的詩歌——中東短歌。我也曾在中東生活,對中東有所了解的我很快地深受他的作品吸引,於是請求能否一起合作,用活版印刷來製作他的詩歌集,千種先生欣然接受了我的請求。

首先從染色開始,我們從日本、台灣、印度和泰國訂購了多種手工紙,嘗試哪一種紙最適合進行染色,顏料則使用Dr. Ph.Martin’s 的產品,通過多次嘗試,來自日本的「NOZOMI PAPER FACTORY」的手工紙,染色效果最佳。「NOZOMI PAPER FACTORY」是一間位在南三陸的福利機構,透過重新回收牛奶盒製作手工抄紙,這種紙張具有優秀的吸水性,特別適合染色,外加輕柔滑順的紙質,我個人非常的鐘意。
http://www.nozomipaperfactory.com

染色的過程是使用水稀釋染料並用噴霧的方式進行,因為是水性染料,染色後彩紙在乾燥後會自然彎曲,所以我們會用蒸汽熨斗一張一張將紙伸展燙平,最後用書籍裝訂用的壓平機平整,這個過程出乎意料的困難,像是第一次在乾洗店工作一樣。

收到千種先生詩歌的文檔後,做成製版用的ai 檔,這次印刷使用的紙質比較柔軟,所以選擇使用厚度1.3mm 的高硬度樹脂版進行製版。

終於到了活版印刷的程序,雖然平時工作使用的是海德堡活版印刷機,但因為每張版只印刷50 張,紙張又是帶毛邊的手工紙,最後決定使用日本帶來的NAGAI 手動活版印刷機進行。海德堡印刷機所印製的印刷品,不管怎樣小心都會留下紙夾的痕跡,印刷後必須將不需要的部分裁切,然而這次是無法裁切的帶毛邊的手工紙,想盡可能避免印刷以外的痕跡,自動印刷機不一定是好的,每次配合設計選擇最合適的印刷機和活版,是我作為印刷職人最重視的一點。

來自中東的詩歌,配合來自日本南三陸的手工紙,再加上印度製的手工紙信封終於大功告成。在台灣各地通過手工製作完成的精緻活版印刷卡片,希望可以蘊含著各位的心意傳遞到世界各地。

Translation by Tei Jyo

写真1 | 活版印刷と紙の染色 - Miki Wang | 活版印刷研究所

フワフワの紙とスムースな紙の違いが楽しめます
「有著輕柔和滑順兩種質感的手工紙」
※写真はクリックすると拡大されます

写真2 | 活版印刷と紙の染色 - Miki Wang | 活版印刷研究所

写真3 | 活版印刷と紙の染色 - Miki Wang | 活版印刷研究所

写真4 | 活版印刷と紙の染色 - Miki Wang | 活版印刷研究所

染色した紙、耳付きの紙の良さを感じます
「染色後的紙,帶紙邊的手工紙有其獨有的情調」

写真5 | 活版印刷と紙の染色 - Miki Wang | 活版印刷研究所

写真6 | 活版印刷と紙の染色 - Miki Wang | 活版印刷研究所

全4種類、PAPERWORKで販売予定です
「活版印刷卡片全4種,PAPERWORK預定銷售」

写真7 | 活版印刷と紙の染色 - Miki Wang | 活版印刷研究所

歌集「砂丘律」と共に
「詩歌集「砂丘律」和活版印刷卡片」