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京都大学図書館資料保存ワークショップ
[図書館に修復室をツクろう!]㉗
マイクロフィルムのお話

今回は、図書館独特の資料であるマイクフィルムをご紹介します。
マイクロフィルムと聞いても、何それという方も多いと思いますが、長期保存性に優れていることから、図書館では、長年広く利用されてきました。

特に新聞や雑誌など、あまり上質でない紙が使われていて、ボロボロになりやすい資料は、長期保存のために、マイクロフィルム化されることが多いです。

(写真1)マイクロフィルム | マイクロフィルム のお話 - 京都大学図書館資料保存ワークショップ | 活版印刷研究所

(写真1)マイクロフィルム

マイクロフィルムとは、文献を縮小撮影したフィルムです。
今はデジタル撮影が主流ですが、一昔前の写真はフィルムでしたよね。
写真に映っているのは、人物や風景のことが多いですが、図書館のマイクロフィルムには本や新聞、雑誌などの紙面が映されています。

写真がフィルムのままでは、小さくて見えづらいのと同様に、マイクロフィルムもそのままでは読めないので、専用のマイクロリーダーで拡大するか、引き伸ばして印刷します。

(写真2)マイクロリーダー | マイクロフィルム のお話 - 京都大学図書館資料保存ワークショップ | 活版印刷研究所

(写真2)マイクロリーダー

古いマイクロフィルムを読もうとすると、酸っぱい臭いのする時があります。
これは、ビネガーシンドロームといって、湿気による加水分解で、酢酸が生じることからおきます。
主に1950年代から80年代に使用されたセルロースエステルがベースとなっている、マイクロフィルムで生じやすい現象です。

京都大学の図書館には古いマイクロフィルムも多く、実際ビネガーシンドロームの被害がでています。
対策として、
①調湿キャビネットなどへの収納
②乾燥剤、調湿剤を用いての湿度調節
③酢酸の放散処置(フィルムをゆっくりと巻き、溜まった酢酸を放散する)
などを行っています。

(写真3)専用の調湿キャビネット | マイクロフィルム のお話 - 京都大学図書館資料保存ワークショップ | 活版印刷研究所

(写真3)専用の調湿キャビネット

マイクロフィルムの保存に関する内容は、国立国会図書館作成の冊子に詳しくあります。
写真も充実していますので、ぜひご覧ください。

マイクロフィルムの保存に関する内容は、国立国会図書館作成の冊子に詳しくあります。
写真も充実していますので、ぜひご覧ください。

国立国会図書館 マイクロフィルム保存のための基礎知識

京都大学図書館資料保存WS
N.K.

(写真1)マイクロフィルム | マイクロフィルム のお話 - 京都大学図書館資料保存ワークショップ | 活版印刷研究所

(写真1)マイクロフィルム

(写真2)マイクロリーダー | マイクロフィルム のお話 - 京都大学図書館資料保存ワークショップ | 活版印刷研究所

(写真2)マイクロリーダー

(写真3)専用の調湿キャビネット | マイクロフィルム のお話 - 京都大学図書館資料保存ワークショップ | 活版印刷研究所

(写真3)専用の調湿キャビネット