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平和紙業株式会社
「作家買い」

ある作家の文庫本の解説に、文芸評論家の細谷正光氏が、こう書いています。

「本好きの間でよく使われる言葉に“作家買い”がある。その作家の出す本ならば、内容を気にすることなく、とにかく購入することである。作家の名前がブランドであり、信用銘柄ということだ。
もちろん一冊読んだだけで、そのような信用を得られるわけではない。同じ作家の本を何冊か読み重ね、すべて面白かったとき、はじめて“作家買い”となるのだ。※1」

これを読んだとき、“紙”にも同じような事がいえるのではないかと思いました。
ある銘柄の紙を使ってみたら、印刷し易かった、加工し易かったので、他にも同じような紙があるにも関わらず、その紙を使い続けてしまう。そのため、新しい紙ができても、これまでの経験上、なかなか手が出しづらい。
私たちが新商品を投入しても、以前から使っている同じような紙があるから、わざわざ新しい紙に置き換える必要がないとか、これまで培ってきた経験や知見といったものを、新たに築くことが手間だとか。いろいろな意見や考え方があるので、これはこれで仕方がないことと思っています。つまり、“作家買い”と同じようなことだということです。

とは言え、これまで、数多くの銘柄の紙が世に送り出され、そして同じくらい多くの銘柄の紙が世の中から姿を消してきています。紙の世界では今でも、常に新陳代謝を繰り返し、今の世の中に合った紙が生まれ、古いものに置き換わり続けています。
印刷機もデジタル印刷へと移行し始め、印刷インキも進化を続けているのに、紙だけが旧態依然としていてはいかないのです。

今の世の中は既に紙媒体からデジタルへと急速に舵を切りつつあります。
紙の雑誌と書籍の推定販売額は、2007年では、2兆853億円の市場規模でしたが、2021年では、1兆6,742億円となり、市場規模は80%にダウンしています。
その反面、電子版のコミックと書籍はこの間に4,662億円の規模に成長してきています。
これまでの減少率、増加率をもとに、単純に今後のシミュレーションをすると、2030年には、電子版のコミックと書籍が1兆993億円の規模に成長するのに対し、紙の雑誌、書籍は8998億円となり、完全に電子版のコミック、書籍が、紙の雑誌、書籍を上回ることになります。

紙媒体が、デジタル媒体に徐々に、そして確実に移行しようとしている中、紙に何が出来るのかを真剣に考える時代となってきています。

紙の媒体としての役割は、デジタルへと置き換わる反面、紙でなければならないものも世の中には沢山存在しています。商品を保護するためのパッケージや、包装紙などは、そのいい例です。パッケージや包装紙など、意匠性も大事なファクターになりますし、印刷適性や加工適性なども大事な要素です。また、手触りなどの質感も求められるでしょう。
こうした一つ一つをクリアしながら、より付加価値の高い商品を生みだしていくことが求められています。

また、生活の場では、求められる環境の中で、機能を付与した商品も求められてくるでしょう。例えば、抗菌、抗ウイルス紙といった、衛生環境に配慮した紙とか、適度に水を吸収してくれるコースター用紙とか。

こうした付加価値と言う価値を持った紙は、媒体としての紙とは違った役割を果たすという意味で、期待と同時に新たな商品として生まれ変わらせ、より深く生活と密着させることで、もうワンステップ、ステージを上げることができるかもしれません。

“作家買い”も、いずれ全ての作品を読み切ればそこで一旦終了します。次の“作家買い”をするためには、あらためて作品を読み始めなければなりません。

もし今、印刷用紙として、“作家買い”をするなら、「A-プラン」がお勧めです。
今の時流に対応して、2021年10月より、順次FSC森林認証紙に移行しています。
https://www.heiwapaper.co.jp/products/details/4100050.html

紙は新陳代謝をくり返します。その時代に合った新しい紙の可能性を早めに見出しておくことをお勧めします。

※1 祥伝社文庫 「深川駕籠(山本一力)」より引用。

(写真1) | 作家買い  - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真1)紙媒体
紙の雑誌、書籍と、デジタルのコミック、雑誌の年間推定売上です。
2兆円規模の紙の雑誌、書籍がこのままいくと、2030年には約9,000憶と、半減するシミュレーションとなっています。
半面、デジタルのコミック、書籍は、2030年には1兆円規模の売り上げになると予想されます。明らかに伝達媒体はデジタルに移行している結果です。

(写真2) | 作家買い  - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真2)推移グラフ
数表をグラフに置き換えてみました。
明らかにデジタル媒体が右肩上がりに成長しているのが分かります。

(写真3) | 作家買い  - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真3)A-プラン

(写真4) | 作家買い  - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真4)A-プラン2
(写真3、4)6色、6連量の印刷用紙です。非塗工印刷用紙で、穏やかな印刷の仕上がりです。
包装紙から印刷用紙、個包装パッケージまでこなす優れもの。
2021年10月から順次FSC認証紙に移行しています。
このパンフレットは、富山のデザイナー宮田裕美詠さんのデザイン。
使用している写真と文章は、フォトグラファーの一ノ瀬ちひろさんです。

(写真1) | 作家買い  - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真1)紙媒体
紙の雑誌、書籍と、デジタルのコミック、雑誌の年間推定売上です。
2兆円規模の紙の雑誌、書籍がこのままいくと、2030年には約9,000憶と、半減するシミュレーションとなっています。
半面、デジタルのコミック、書籍は、2030年には1兆円規模の売り上げになると予想されます。明らかに伝達媒体はデジタルに移行している結果です。

(写真2) | 作家買い  - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真2)推移グラフ
数表をグラフに置き換えてみました。
明らかにデジタル媒体が右肩上がりに成長しているのが分かります。

(写真3) | 作家買い  - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真3)A-プラン

(写真4) | 作家買い  - 平和紙業株式会社 | 活版印刷研究所

(写真4)A-プラン2
(写真3、4)6色、6連量の印刷用紙です。非塗工印刷用紙で、穏やかな印刷の仕上がりです。
包装紙から印刷用紙、個包装パッケージまでこなす優れもの。
2021年10月から順次FSC認証紙に移行しています。
このパンフレットは、富山のデザイナー宮田裕美詠さんのデザイン。
使用している写真と文章は、フォトグラファーの一ノ瀬ちひろさんです。