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三星インキ株式会社
印刷に関連するマークについて
– バイオファーストインキマーク –

前回はバイオマス成分を規定量以上使用したインキに貼付する事ができる『インキグリーンマーク』制度について書かせて頂きましたが、現在、この制度は、オフセットインキ(油性・UV)、フレキソインキ、デジタル印刷機用孔版インクが適用され、凹版(グラビア)インキには適用されません。

グラビアインキは他の印刷方式のインキと異なり、有機溶剤(トルエン・キシレンなど)を配合・使用することが多く、現時点での『インキグリーンマーク』や『植物油インキマーク』制度の選定基準には合致しない部分が多く存在します。
また、イメージ的にも有機溶剤を多く使用しているのに『植物油インキマーク』をつけるというのも、ちょっとおかしい感じがしますよね。

そこで印刷インキ工業連合会では、2019年3月に新たにグラビアインキ用に『バイオファーストインキマーク』制度を設定致しました。
この制度は、グラビアインキ中に一定以上のバイオマス成分を使用することや、トルエン・キシレン不使用などの基準を満たしたインキに対して、グラビアインキ以外で広く適用されている『植物油インキマーク』と同階層に位置付けた『バイオファーストインキマーク』を貼付し、環境配慮の取り組みをアピールする事ができます。
また、『バイオファーストインキマーク』は、印刷物製作時の基準(当該マーク貼付インキの使用・印刷時にトルエン・キシレンを使用しない)を満たした印刷物にも貼付できるので、グラビア印刷物を通して環境配慮活動をアピールする事もできます。
なお、『バイオファーストインキマーク』は曲線の葉と滴を馴染むようにイメージし、有機物とインキが混ざり合い、サステナブルな地球環境を最優先につくられたインキを表す環境に優しいイメージとなるように作成されました。

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『バイオファーストインキマーク』と『インキグリーンマーク』制度の大きな違いは、『バイオファーストインキマーク』制度はグラビアインキ限定であり、更に印刷物作成時の基準をクリアした場合(当該マーク貼付インキの使用・印刷時にトルエン・キシレンを使用しない)は、印刷物にも貼付できるという点です。
運用してまだ間もない制度ですが、今後印刷物にもこのマークが貼付されていく事が増えて行くものと考えます。

印刷インキ工業連合会が制定したマーク以外にも、環境対応型インキ(バイオマス成分含有製品)に各インキメーカーが新たな制度(マーク)の商標登録を行ったり、独自の呼称を付けたりしているものがあります。

『ボタニカルインキ®』(サカタインクス㈱)

脱化石資源の検討を進め、樹木や種子、米ぬか等から得られる植物由来成分を積極的に使用し、インキ固形分中に10%以上含有するインキを『ボタニカルインキ®』と呼称しており、『ボタニカルインキ®』を使用している印刷物にはロゴマークの付与が可能です。

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(サカタインクス㈱ ボタニカルインキ®)

『植物由来インキ®』(大阪印刷インキ製造㈱)

インキ固形分に対して、パルプ、コットン、松脂などの植物由来の原料を10%以上含む製品を『植物由来インキ』としております。

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(大阪印刷インキ製造㈱ 植物由来インキ®)

上記マーク以外にも、バイオマス成分を含有するインキを『バイオマスインキ』と呼称しているインキメーカーもありますが、いずれも基本となるのは生物由来資源(バイオマス)を使用して、地球環境に対して考慮している製品であります。

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(サカタインクス㈱ ボタニカルインキ®)

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(大阪印刷インキ製造㈱ 植物由来インキ®)